novel ss1

□もっとやさしく
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「優しくしてね…」

少し潤んだエメラルドグリーンの瞳が
ナルトをじっと見つめている

見つめられるナルトは
掠れた声音とその綺麗な瞳に
吸い込まれてしまいそうな錯覚におちいる


「サ…サクラちゃん…」

「…絶対、痛くしないでね」

「わ…わかってるってばよ。
 優しくするってば…」


向かい合わせの二人は
ゆっくりと視線を合わせる

サクラがスッと瞳を閉じる

ナルトは彼女に触れる手に力を込める…



ぐぐっ…



「どうだってばよ。サクラちゃん」

「ん…気持ちいいかも…」



閉じた瞳をうっすらとあけたサクラはナルトへ視線を送る

そんなサクラの表情を見たナルトはホッとしたように優しく微笑みながら


「じゃ、この辺はどうだってばよ?」


と、先ほどと少し違う場所に触れる


「…!いっ!!!痛ーい!」

 ドガァ!

「ぐはぁっ」
「痛いじゃないの!」
「痛いってばよぅぅぅ(涙)」


思わずグーで殴ってしまったサクラと
左頬を撫でながら涙目のナルト


「絶対痛くしないって言ったじゃない!」
「ご…ごめんねサクラちゃん(汗)
 だってあの位の強さで痛がるなんて思わなかったんだもん」

「痛いのよ!バカ!もっと優しくやりなさいよ!」

「うぅ…
 でもさ、サクラちゃんってば肩凝りひどいんじゃない?」

「えっ?まぁ確かに。最近肩が凝って辛いけど…」

「やっぱりー!さっきのツボは肩凝りに効くんだってばよ!」

「そ…そうなの?」


肩凝りを言い当ててちょっと得意気のナルト


「だってオレってばツボの本読んですっげー勉強したんだってばよ!
 よし!サクラちゃんの肩凝りはオレが治してやるってばよ!」

「あ…ありがと」

「いいっていいって!オレとサクラちゃんの仲なんだしっ」ニカッと笑う。


ぐぐっ…


「!!!」

ドガァ!

「ぐはぁっ」
「だから!痛いって言ってるでしょっ!」

「うぅぅ」

再び殴られた頬を押さえつつ

ツボマッサージはなかなか難しいってばよ…
でもサクラちゃんとスキンシップできるからオレってば頑張ろっと!

と決心を新たにするナルトであった。





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