novel ss2

□I wish you
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 里の中心部から少し離れた明るい森の中をサクラはゆっくりと歩いていた。
先程から自分の右の手の平が熱い。手の平だけじゃなく、右腕も、右の頬も……

 気付かれないように熱を感じる自分の右側へとそろそろと視線を向けると、ナルトの横顔。

 二人は今手を繋いで森の中を歩いている。


  恥ずかしくて死にそう……


 サクラがそう思っていたのは始めの頃だけで、今ではこの手がずっと離れなければいいのにと思う。


いつの間に自分はこんなにもナルトを好きになっていたのだろう。


 二人は元々他の忍仲間と比べると、一緒に居ることは比較的多かった。密かに相手に対して想いを寄せていることは本人たち以外は周知の事でもあった。

 そんな二人に転機が訪れたのはニヶ月ほど前。
何時ものように二人で過ごした休日。そっと唇を重ね合わせた。

 互いの想いがようやく相手に届いた瞬間だった。

 想いが届いた途端、閉じ込めいてた気持ちは溢れ出す。今ではこんなにもナルトが好きでたまらない。ずっと側にいて欲しいと思う。


 二人の関係は傍から見ても羨ましいほど幸せそうだった。



 でも……



 最近のサクラの心境は限りなく曇り空に近かった。




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