novel long1
□Irreplaceable
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昼時の待機所の一角。
一際にぎやかなテーブルがある。
沢山のおかずが並べられたそのテーブルには、今や木の葉の里で人気No.1の呼び声高いうずまきナルト。
そして、同期の犬塚キバと秋道チョウジが笑顔で同席している。
ナルトが昼の休憩時間に待機所に現れると見られるこの光景は、最近ではすっかりお馴染みの風景となっていた。
「あの…よかったらコレもどうぞ」
頬をほんのりと染めた後輩のくの一がかわいらしい包みを差し出す。
ナルトが差し出された包みを笑顔で受け取ると、彼女は赤みの増した頬を隠すように、ぺこりと頭を下げて走り去っていく。
「ナルト、スッゲーよなぁ」
「本当。お昼にテーブルに座るだけでこんなにお昼ご飯が集まっちゃうんだからねぇ」
「でも、なんか困るってばよ…」
「まぁ、心配しないでよ。僕達がちゃんと残さないように協力してあげるからさ。ンフフフフ♪」
「そうそう、そういうこった」
キバとチョウジは、ナルトに差し入れされた弁当を前に、マイ箸持参で笑顔を零す。
ナルトは、ちょっと複雑そうな顔でテーブルの上の弁当と友人達を見ていた。
事の起こりは数ヶ月ほど前だったか…
昼にサクラと一緒になった時、「弁当作ってくれってばよ!」とおねだりしてみたのだが、サクラには何時も通りあっさりとかわされてしまった。
まぁ、それはナルトも予想通りだったのだけれど…
予想外だったのは、その会話を聞いていた女の子達が、ナルトと知り合いになるチャンスとばかりにナルトに昼ご飯の差し入れをするようになった事だった。
最初は人数も少なかったし、手作りの弁当に素直に喜んでいたのだが、最近では食べきれないほどの弁当の差し入れが届き、キバやチョウジが笑顔で同席してくれているというわけだ。
「あらーー、今日もまた華やかねぇ」
ナルトの後ろからサクラがヒョコリと顔を出した。
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