novel long1

□月 華 -GEKKA- 
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 第七章 密 計 



(7-1)

 木の葉の里はサクラが連れ去られ、重苦しい空気に包まれていた。

 先日放たれたシノの寄壊蟲が敵に張り付き追跡を行っていた。
蟲の情報を元に八班を中心に結成されたチームが現地へ飛び敵アジトの正確な場所を捜索している。
その間、里に残った者たちはサクラの救出についての対策会議を重ねていた。

 ナルトもその会議にはいつも出席していたが、口を開く事はなくじっと思いつめた表情のまま席についていた。
周囲が心配して声をかけても反応は無く、まるで生気がない。



 八班とともに捜索していたシカマルが里に戻り、現在の状況について説明していた。
 

「敵アジトの場所についてはほぼ確定しました。」


 シカマルの言葉にその場に居る者達の伏せ目がちだった視線が上がる。
ナルトは俯いたままでシカマルの言葉を聞いていたが、どこか虚ろ気だった目の奥にわずがな光を宿し始めていた。


「木の葉の里より北へ130km。地中に潜んでいるようです。 現在アジトの規模、出入り口などの詳細を調べています。」


「わかった」


 机に肘をつき額に手を当てながらじっと報告を聞いていた綱手が短く答えた後、視線を会議室にいる者達へと向ける。



「これより掃討作戦に入る。作戦の指揮はカカシ。各小隊、待機して指示を待て」

「はい」



 会議室に居た小隊長達はその場を辞して各自部下への指示に向かう。

その場には綱手とカカシ、シカマル。そして、未だ俯いたまま椅子に座っているナルトが残った。

シカマルがナルトの側に歩み寄る。



「ナルト…サクラは無事だ。ヒナタが地中にサクラを見つけた」

「うん」

「まずはサクラを取り戻そう」

「あぁ。サンキュ、シカマル」



 そう言いながらナルトはゆっくりと立ち上がり、シカマルの肩に手を置くと視線を綱手の方へ向けその前へと歩き出す。
綱手とその横に居るカカシに真剣な眼差しを順に送り、重い口を開いた。




「頼みがあるんだ…」



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