novel long1

□月 華 -GEKKA- 
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 第五章 機



(5-1)


土埃の中に自分を睨みつけるようにして見ているサクラが居る。


ザリッ…


冷たい視線をじっと自分に向けたままサクラが一歩踏み出す。





自分を殺すと言ったサクラ。

それを嫌だと言ったサクラ。




さっきは一瞬だったが確かに「サクラ」が戻っていた。




「サクラ」に戻るきっかけは何だ?




ナルトはサクラを見ながら必死に考えた。

何か「サクラ」を呼び覚ます「機」があるはずだ。

それは何だ?

さっきのあの場面で、何があった…




ナルトの脳裏に鮮やかな紅が浮かんだ。

もしかすると…




ナルトは一歩また一歩と自分に近づいてくるサクラを見つめながら、ポーチの中のクナイに手を伸ばした。




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