僕の絆の記憶

□第一章
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「本日もせいて〜〜〜ん!」

家の外に出ると両手を空に掲げるように叫んで背伸びをした、後ろでクスクスと笑う声に気付いて少しむくれながら振り返るとやはり嵐翠が笑っていた。
むくれる僕に気付いた嵐翠はまたクスッと笑うが直ぐに家へと視線を移してじっと見詰める。
その様子を見た僕は嵐翠の隣に立って、手を握った。

「大丈夫、また帰ってこれるよ。色々なもの見て色んな思いでお土産にこの家に帰ってこよう」

ギュッと強く嵐翠の手を握って何時も語尾を伸ばす癖を出さない真面目な口調で言う。
其れを聞いた嵐翠はやっと何時もの笑顔を見せてコクリと頷くと

「先ずはモグハウス行ってみよ〜!」
「うん、いこ〜」

嵐翠の申し出に僕もコクリと頷いて繋いだ手を離さず荷物を抱えて二人で掛けだしたのは良かったが……
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