短編小説
□修学旅行2
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「うわ〜!本当に江戸っぽい!オレ、ワクワクしてきた!」
「だって、江戸村だからね。」
「斎藤先輩、見て下さい!忍者やお侍さんの格好をした人がいますよ!!」
「ああ、雰囲気が出て良いな。」
「千鶴〜!!こっちで衣装が借りられるぞ。皆で何か着てみようぜ!」
「わー!!新選組の衣装、格好良いね!!町娘も可愛い☆」
「オレどれにしようかな?総司と一君はどれにする?」
「俺は遠慮しておく。」
「僕もパス。めんどくさい。」
「え〜!ノリ悪りぃよ!」
「千鶴ちゃんが花魁(おいらん)の格好してくれるならいいよ。僕、新選組になっちゃおうかな〜。エロ悪代官から守る正義の味方!みたいでいいじゃん。」
「総司が新選組なら、オレも新選組にする!俺だって千鶴を守るからな、エロ総司から。」
「平助は見せ物小屋の猿がいいんじゃない?一芸できます。みたいな。」
「また猿かよ!っていうか猿の衣装は無ぇし! って、一君?何もうお金払ってるの?」
「仕方あるまい、俺も新選組になろう。雪村、お前はどれにするんだ?」
「あ、じゃあ町娘で・・・。」
「なにげに、一君が1番乗り気じゃね?」
「一君はムッツリだからね。千鶴ちゃんの花魁(おいらん)姿を想像してアレコレと・・・。」
「総司、誰がムッツリだと?」
「さぁね。何の事かな?」
「うわー!!皆、格好良いです!!本当の新選組みたいです!!」
「何だか、しっくり来るな!!この羽織り、初めてじゃ無ぇ気がして来た。」
「平助は本当に単純だよね。千鶴ちゃんどう?似合う?惚れ直しちゃったんじゃない??」
「沖田先輩もお似合いです!!」
「うわ〜!!一君すっげー似合ってる。オレ、惚れたかも?」
「平助、気色悪い事を言うな。・・・む、この紐(ひも)はどうするんだ。」
「あっ、多分後ろに垂らすんだと・・・。はい、出来ました。」
「かたじけない。雪村」
「何か言葉使いも変わってね?」
「へぇ〜、一君ってそんな趣味があったんだ。意外。千鶴ちゃん気をつけなよ。こういうタイプは要求がエスカレートして、次はあれを着てこうしろ。とか、いろいろとね・・。」
「えっ!?――////」
「―――////、なっ・・!でたらめを言うな総司。」
「あれ〜?一君なんで赤くなってるのかな〜?アハハ。」
「雪村、気にするな。・・・ところで、お前の町娘も・・その・・良く似合っている。」
「あ、ありがとうございます先輩・・・////」
「それでは、見て回るとするか。下駄は慣れてないだろう。転ぶといけない。その・・・危ないから、・・・俺の・・腕につかまれ。」
「は、はいっ!―――////」
「ああ、またかよ。もう見てらんねぇ。」
「何かムカつく。土方先生斬ってこよっと。」
「お、おい、総司!!やめとけって。また叱られるぞ!!」
なんだかんだ言って、斎藤さんが1番修学旅行を満喫しましたとさ。
☆おしまい☆