02/08の日記

16:29
one day10
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鈍い音と悲鳴が暗い公園に響いた。あっというまだった。三成に倒された男達が呻きをあげながら地に転がっている。
家康は殴られ血が出ていてぼんやりとしか働かない頭でその光景を見ていた。
雲間から月の光が差し込む。それを浴びた三成の姿は背筋が凍るような感覚を覚えるほど美しく感じた。銀糸の髪返り血が少しついた頬…。
常から見れば異様な光景だ。だがそれを美しいと感じてしまう。家康は不思議だった。

わし…

こんな光景を…見た事がある気がする……。

鼓動が早くなる。

どこでだ…?いつ……

頭がグラグラする。
家康が額に手をやるとぬるりと血が手を伝う。


三成は鋭く美しい視線を足元の頭らしい男におとすと
「死ね…」

短く呟き手の棒を振り下ろす。


「殺すな!三成!!!」
家康のいつもとは違う激しい熱のこもった声がとび三成の振り下ろしたそれが止まる。

三成は振り返り家康を見た。
その視界に入ってきたのは…遠いあの日に見た眼差し。

「………そのものを…大事に思う…者もいるはずだ………絆を…奪う……な…」
そういうと家康は崩れ落ちた。

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