01/23の日記
17:45
one day7
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それからたまに英語を教えると言う名目で家康とカフェで会うようになった。約束をするわけではない。時間が合ってお互いに余裕がある時に同じ席に座る。
世間話も少しする。おかげで家康の近況がなんとなくわかった。
静岡から出てきて薬科大に所属していること。1人で暮らしているから外食が多いこと。仲間の事、バイトの事、英語の単位は取るのが難しいこと。
今日も目の前の彼は1日起こった事をノートにペンを走らせながらポツポツ話す。
パソコンで仕事の資料を作りながらそれを聞く。
別にたわいもない事だ。ただそれが三成にとってはとても心地良い。家康といる時間はとても穏やかな空気が流れる。
(昔もこうだったはずなのに…、憎しみに心を捕らわれ自ら壊してしまった。この時間を)
「…三成はすごいな。早いうちから海外で1人でくらしてたんだろ?ホームステイじゃなくて」
「…世話を焼かれるのが苦手なだけだ…、それよりできたのか?」
「ああ…、ちゃんと資格とりたいしな…。いつか…自分の手で多くの人を救える薬を作りたいんだ、わしは。」
ちょっと恥ずかしそうに家康は言った。
時代が違ったとしても…変わらないな…
と三成は思った。
「…貴様が信じていればかないそうなものだがな…」
三成の口からでた言葉を聞くと家康は嬉しそうに口角を上げた。
(今度は…かなうのだろうか家康の願いは…。)そのために力になれたら…そう 思い至って三成は思考を止めた。
(何を考えているのだ…私は!)
それを奪ったのは過去の自分だ…。そんな事がかなうはずもないのだ…。考えてもいけない…。
過去の記憶が頭をよぎった。
ただ…もう少しだけ、今の石田三成としてこうしていられる時間だけ…。
こうしていられないだろうか…。
三成は課題に夢中になり始めた家康を見つめ、目を閉じた。
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