01/16の日記

19:12
one day4
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家康を見かけてから何日かたった。彼を夢に見ることが増えた。平穏に暮らしているならそれでいい、そう思った筈だがどこかで気持ちが引っかかるのだ。
今日は少し仕事が早めに終わった。明日は休暇だ、晴れない気持ちをまぎらわしに出かけるかと思案する。
そうこうしているうちになぜだかいつかのスタバの前に出ていた。帰り道にあるから仕方ないことだが何とはなしに三成の歩が止まった。

偶然が二度も重なれば奇跡だろう。今日も何人の人間とすれ違ったか…、わかるはずもない。人との出会いなどそれくらいの確率だ。
三成は自嘲するような溜め息を吐くと店の扉を押した。


ひらり…足元に白い紙がとんだ。
「…?」
気まぐれに身を屈めてそれを拾い上げる。英語のレポートのようだ。

「すいません、ありがとうございます。」
男が1人駆け寄ってくる。三成は顔を上げると自分の目を疑った。そこにいたのは…家康だった。
「うっかり落としてしまって…」
そういいながら家康は混乱している三成からレポートを受け取る。
「すいませんでした」
ぺこりと少し頭を下げると壁際の席に戻ろうとする。

「…おい、…待て家康」
三成の体は驚きで動けなかった。だが意識よりも先に声が出た。

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