01/15の日記

22:13
one day3
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ああ…思い出した。昔…私はあの男を家康を殺した。主君の仇として。
主君を殺した彼を憎み殺した。

背後で店の扉が閉まる音がした。三成は動けなかった。頼んだコーヒーの種類で自分が呼ばれた気がしたがそんな事はもはやどうでも良かった。

あの日…家康を殺した後自分の中に生まれた空虚を思い出した。仇のために彼を手にかけたと思っていた。だが真のところは自分の生きる意味を求めて彼を殺した事にあの時始めて気がついた。気が狂いそうだった。いやもう狂っていたのかもしれない。
そして自分がどれほど彼を愛していたかを思い知った。

そんな罪悪感が三成の歩を止めたのかもしれない。先ほど見た家康の顔は昔と変わらず明るいものだった。
(平穏に暮らしているなら…それでいい…)
三成は後ろを振り返らずに何度目か呼ばれた店員の声に合わせてコーヒーを受け取った。

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