文 忍び

□主
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幸村の手が佐助の着物にかかると佐助は思わず後ずさった。
「ちょ…ホントに?だん…」
確認しようとして開けた口は幸村のそれで塞がれる。
「…っつ…んんっ…」
佐助の口から声にならない声が出る。舌をからめとられ、歯列をなぞられ佐助の背筋がぞっくとする。
「ふ…ぁ…っン」
奥まで侵入し幸村は口を解放する。
「…は…っつ…」
佐助は大きく息を吸い込み佐助は荒い息を吐く。
「…佐助…約束を忘れたのか?」
幸村の顔はまるで獣のようだ、戦場でこの顔を見たことがある。佐助はすくんだ。動けなかった。幸村とは…何度か床をともにした。でもいつも優しくてなんというか微笑ましい感じがした。でも目の前にいるのはいつもの彼ではない。
「…失礼いたしました、幸村様」
佐助は短く言うと、体をゆだねた。




「…んーー…、は…あっつ」
着物をはだけられ、自身に触れられ佐助の口からは絶えず喘ぐ声が漏れる。
幸村の指が佐助の胸の突起の片方を刺激し、もう片方を幸村の舌が刺激する。自身を擦られ敏感な部分に触れられ、佐助はおかしくなりそうだった。
「あ…っつあ……ん」
涙のたまった眼で幸村を見た。
「佐助…ずいぶんとみだらだな…」
突起をなめ上げながら幸村が言うと歯がそれにあたり佐助はさらに嬌声を上げた。
体ががくがくいう。
「あ……だ…んな…も…ダメ。お願い…やめっつ」
「まだわからんようだな」
幸村は小さく言った。そういうと佐助のものの根に近くにあった紐を巻きつけた。
「…あ…やめ…お願い…ダメ」
一気に血液がたまっていくが達することもできない感覚に佐助は悶えた。
それを幸村は口に含むとなめ上げ強く刺激する。
「!!!??…うあ…やめて…あーーっつ」
佐助の体が大きく反り返り声にならない声が響く。
「…ゆ…幸村…っつ様も…やめて…くだ…さい…」
佐助は途切れながらも声を紡いだ。
それを聞くと幸村は紐を解き、佐助自身をさらに擦りあげる。
「できるではないか」
「う…っつ…あ…」
佐助は頭の中が白くなっていく限界が近かった。恥ずかしいのと、いつもとは違う彼に快感が走っていく。
幸村の着物をつかみ声を上げ達した。
「う……っつは……」
激しい責めで達した佐助はしばらく視点が合わないまま、荒い息を吐き出して横たわった。が後ろ向きにころがされ、いきなり幸村自信を押しあてられる。
「!!っつあーーーーっ」
佐助の悲鳴とともに彼が佐助の中へ入ってくる。幸村自身限界だった、自分の好きな忍びのいつもの瓢瓢とした雰囲気はなく、自分に翻弄される佐助はとても艶やかでなまめかしく煽情的であった。
佐助が幸村を締め付ける。
「…っつ…佐…助…」
「ゆ…き…むら…さま…、あっつ…」
佐助は快楽に染まりきった顔をこちらへ向けると焦点の合わないうるんだ目で幸村を見つめた。
幸村は腰の動きを速める。
「は…っつうあ…」
佐助は声をこぼしもう一度達した、幸村も同時に達した。


「お前が悪いのだぞ…」
佐助の果てて倒れこんだ寝顔を見ながら幸村
はぼそっと呟いた。
佐助があんなこと言うから…、政宗殿の方が良いなどというから…。独眼竜は佐助の事を気に入っている…。知っているのだ。
だから余計に心が黒くなった…、主君という言葉でもいいからお前を独り占めしたかったのだ…。
「お前は俺のものだ…」
そういうと幸村も深い眠りに落ちた。


その言葉を聞いた忍びは心で
「おバカさん」
と苦笑いした。
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