文 関ヶ原

□友情?
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秋になり夏のうだるような暑さから解放され気持ちの良い季節がきた。
家康は自室でのんびりと転がりうとうとしていた。

どっかーーーーーん!
とそこへ物凄い轟音が響いた。
「?!な…なんだ?」
敵襲か?家康はぱっと起きあがると音のした門のほうへと駆け出しだ。


「家康ー!いい時期になったから遊びにきてやったぜ!」
「も…元親?!!」
そこにいたのは家康の大事な友人長宗我部元親だった。大きな音は元親が碇に乗って突っ込み門が大破した音だった。見るも無残、小牧城の門は粉々だった。
「久しぶりだな!元親、派手な登場だなあ〜!!」
門が大破したのには困ったが久しぶりに会う友のほうが家康には大切だった。
「あーわりいな、海には門なんてねーからよ」
「ははは!気にすんな、元親、なおせばいいんだし…」
「ふざけるな、貴様等…」
あー、しまった…、と家康は1人ごちた。後ろから殺気がする。振り返らなくてもその表情がわかる。
「……そんなに怒るなよ、三成」
家康の後ろには殺気を放った三成が立っていた。今回は三成が秀吉の使いで小牧にきていたのだ。「秀吉様の天下統一のさなかだというのに城の門をこわされるとは何事だ、ましてやあれは秀吉様の敵、長宗我部ではないか!」
いえやすぅ〜といつもの調子でまくしたてられ家康は何も言えなくなる。「まあまあ、兄ちゃん、そう言うなよ。門なんざなおせばいいだろうが、豊臣なら金はいくらでもあんだろ?」
と元親は家康を庇うように三成に言った。
「……、に…にいちゃん?だと?」
ゆらり…三成が怒り心頭といった表情を浮かべ動く。家康はまずいと判断し割って入る。
「あー、三成!やめろ!!わかった、すぐに直すから刀を抜くな!!!」「なおす?お前がか!?」
「ああ、わし忠勝の装甲なんかもやってたからなんとかなると思う」
「あーしゃあねぇなあ」元親は髪をかきながら
「おれもやってやるよ、壊して悪かったな」
と言い、にかっと家康に笑いかけた。
「元親ぁ〜!!」
家康は友の言葉に感動したように言うとがしっと抱きついた。
「ははは…、じゃ楽しく門の修理といくかぁ」
三成はなぜか苛立っていた。家康は人なつこいとこがある。が、一国の主ということもありここまでなついた行動をとることも少ない。それを見ていると無性に腹がたった
「…いえやすぅ〜!!」「な…なんだ?三成」
三成が急に叫んだので家康はビクッとして三成をみた。
「貴様等がさぼらんようにここで見張っている。早くなおせ」
そういうと椅子を用意させ三成はどかっと座った。
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