ガチャッ

パタパタ

玄関の方から聞こえてくる物音に、松陰は自分の頬が緩むのを感じた。
足音はそのままリビング前まで来て、ハタと止まった。

『松陰先生!』

ドアの向こうから聞こえる声に、松陰は今まで読んでいた本から視線を上げて答える。

松「お帰りなさい。何でしょう?」

『あ、ただいま!あの、私がいいよって言うまで目を瞑っててください。』

松「?…分かりました。」

松陰が指示に従い目をつむると、程なくドアの開く音がして足音が近付いてきた。それは松陰が座っているソファーの周りをぐるりとまわって松陰の前で止まった。

『いいですよ!』

松「はい。…!!」

『じゃ〜ん!』

そこにいたのは、ダークブラウン色の髪を揺らした娘で。

『髪、染めてみました!人生初です!どうでしょう?』

松陰は暫く娘をジッと見てから、いつものように微笑みを浮かべた。

松「似合っていますよ。なんだか、一気に大人びた感じがします。」

『本当ですか!?よかった〜!』

松「ですが…」

不意に松陰が前に立っていた娘の肩に手をかけ、後ろを向かせた。

松「僕は、黒髪の貴女が好きですよ。大和撫子ですから。」

髪をなでながら、耳元で囁かれた言葉に娘はたまらず耳まで赤くした。振り返った時にはもう、何事も無かったように笑みを浮かべる松陰が立っているだけであった。

松「でも、変化のある貴女を見るのも好きです。」




















髪、染めてみました
吉田松陰の場合
どんな貴女でも包み込む自信があります
(『明日、黒に戻してきます。』)
(松「じゃあ今のうちに黒髪でない貴女をよく見ておきましょう。」)
(『そ、そんなに見なくてもいいですっ!』)
(松「そう言われると余計見たくなりますね♪」)
(『(え、S…!!)』)


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