お題

□メガネ
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オレ的な眼鏡っ子の条件とは


眼鏡っ子=ドジっ子

基本、ノンフレ
そして彼女にするならやっぱ眼鏡が似合う子がいいなぁ。


願わくば赤フレが似合う女の子。黒縁はオレにはちょっと…。って少し前まで思っていた。緋苛流に出会うまでは…


オレはいたって普通のノンケだ。男より女が好きだ。今までだってちゃんと女の子と

つき合っていた。今だってつき合ってる彼女はいる。その子もやっぱり眼鏡をかけていてとてもかわいい。彼女を選んでよかったとも思っている。だけどこの間から少し

気になるヤツがいる。やっぱり眼鏡をかけていて名前は佐伯緋苛流。クラスは違うけどオレの眼鏡っ子条件にピッタリ。ただちょっと眼鏡の種類が黒縁だった。


佐伯はいつもオドオドしていてあまり喋ったところを見なくて1日に一回は必ず転けている。初めて口を聞いた時もそうだった。


「いたたた。ご、ごめんなさい。大丈夫?」
ちょっとオレとぶつかっただけで尻餅をついて転んだ。

「あ、いや。オレこそごめん。大丈夫か?」
そう言って手を差し出すと慌てて立ち上がり
「だ、大丈夫。あ、ありがとう」
走っていった。ほのかに顔が赤かったのを覚えている。


たまに佐伯がオレを見てるのに気づき笑いかけると顔を紅くしてつまずく。
「…小動物みたい」


そんな彼に無意識に目が行ってしまう。玲羅と話している時でも目だけは佐伯だけを映している。


玲羅に顔を覗かれ
「ねぇ、聞いてる?」
「え?あ、悪い。何だっけ」


玲羅はもう。と少し膨れて
「次の休み水族館行こうって話!」
「あ、そうだな。次の休みな」


頭の端でそんな話してたんだ。と思いながら今日も佐伯を探していた。廊下中を探すが佐伯が見つからない。


グラウンドを見れば端の方に佐伯が見え、ほっとしたオレがいた。今日こそ話しかけようと放課後、佐伯が図書館にいるのを佐伯のクラスメートに聞いてそこへ行った。


図書館に行けば佐伯が座って本を読んでいた。オレは柄にもなく、話しかけるのに緊張した。


「佐伯」
名前を呼ぶとピクッと肩を動かしてこっちを見た。
「…い、五十嵐君」
「難しそうな本読んでるね」


「そ、そんなことないよ」
オレは佐伯の目の前のイスに座った。


「そういえば、佐伯今日遅かったけどなんかあったの?」
「ふへっ!?あの、その。家の用事で」


「…ふ〜ん」
会話がなくなった。佐伯は本を読んでオレはそんな佐伯をずっと見ている。時々本か

ら目を離してオレを見てはまた本に目を戻す。何度かそれを繰り返す佐伯はかわいくて顔がニヤケてしまう。慌てて弛みきった顔を元に戻す。


「つ、つまらなくない?」
「なんで?」
「だって僕だけ本読んでるから五十嵐君に申し訳…ない…から……」


佐伯の声が小さくなっていく。
「そんなことないよ。オレ、佐伯見てるだけで充分」


そういうと、顔を真っ赤にして本で顔を隠した。


「なぁ、佐伯」
「な、なに?」
「オレと友だちにならない?」


今好きだなんて言ったら逃げそうだから今は友だちでいいか。


まぁその前に玲羅と別れなきゃなぁ

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