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□決意というなにか
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こんな重たすぎる立場に望んで立ったはずはなかった。
もう、逃げてしまいたい。
頭が痛い……いや、もはやそんなものじゃない。
こんな光景を見て、まだ僕はこの世に必要な人々を戦争へと、死へと、導くのだろうか。
怒り、哀しみ、憎しみ、痛み…
悲痛な叫びが、この静かになった戦場から湧き出てくる。

所詮僕は、戦争屋にすぎないのだろう。
リーダーという立場になるのは必然的だった。
この腐った国を僕らの手で塗り替えたいという思いにも偽りはない。
貴族の私欲のために衰退していった、底辺に生きる強き人々を救う為に、僕らは戦っているはずだ。
みんな望んで付いてきてくれた。

―――そうだ。
そうだった。みんな、自分の意志だったじゃないか。
死が怖いのは皆同じで、それでも正義の為に武器を取った。
それを否定する権利が僕にある?
ある訳が、ない。

立ち止まる暇などない。
ここで僕がするべき事も、みんなを勝利へと導く事以外はない。

みんなのところへ行こう。
そして、悩みを一つでも多く笑顔に変えよう。
それこそがきっと、リーダーとしての務めなのだろうから。

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