始まりは突然に

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寝ぼけの事件から言い合いをしていたらご飯が炊けていた。



『とりあえずご飯食べちゃって』


「食えんのか?」


『うん。君メッチャ失礼だ』



まぁ、確かにそんな疑問がうかぶかもしれないが、そこはあえて言わないでよ。
けっこうガラスのハートなんだから。



そんなことを思いながらテーブルにご飯を出す。
見た目はまぁまぁだとかほざいてるのは置いておこう。気にするとハートにヒビがはいりそうだから
それからいただきますをして口に料理を運ぶ。うん。なかなかだ。
てか、普通においしくね?自分で言うのもなんだけど。


『・・・どぉ?』


なんで私が遠慮して聞く必要があるんだ。
むしろ私はつくってやってるんだ。
堂々としててもいいんじゃないか?
まぁでもなんかさ、この人に感想を聞くってちょっと勇気がいるというかさ。
うん・・・



「・・・・・」



え、無言?!
まさか、まずかった?
私の舌がまずかった?


でも無言ののわりには箸がやたらかぼちゃの煮つけを行ったり来たりを繰り返している。
ここまで食べているんだからまずいわけではなさそうだ。
てかそう思いたい。



「・・・・」


『どうなわけ?』


「まずくはない」


なめてんのかコノヤロー
まずくはないってことは、うまくもないってか?あぁ?
本当に張ッ倒したいよ。


『はいはい』



もう気にするのはやめよう。
そう思って私もご飯に手をかける。
とスッと出された空のお茶碗。



『?』



「・・・・おかわり」



『・・・・』



「なんだ」



『クスッ・・・なんでもないよ。今持って来る』



お茶碗を受け取りキチンへ行く。
なんだかんだでおかわりしてるじゃんv
ちょっとテンションがあがる。
うまくはないかもしれないけどおかわりしてくれるってことは結構いけてるって事でしょ??
私やるー!!
なんて思いながらご飯をよそい戻る。



「なにニヤけてるんだ。気色わりぃ」


『フフフッなんでもなーいv』



「変な奴」



君にはいわれたくなかったけど今日は突っ込まないであげよう。












そして食卓も済み、ローにシャワーを進める。



『ロー、先に入ってきちゃって?』


「あぁ・・・」


どことなく寂しそうな瞳が目に入る。
なぜだろう。
こんなにも図太い神経の持ち主がそんな目をするのはなんでだろう。
軽く失礼なことも考えつつ、食器を洗う。
それも終え、バスタオルを渡すことを忘れた私は浴室へ向かう。



―カチャ



扉をあけると半透明なドアからは水の流れる音と白い蒸気が出ていた。


『ロー?』


「覗きか?」


『ふざけんな、何が悲しくてローが入ってる風呂を覗かにゃあかんのだ。
バスタオル。かごのなかに入れておくから』


「あぁ」


それだけ聞くと浴室から出る。



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