短編小説
□初詣
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「あけましておめでとうございます!」
「あけましておめでとう。サトシ」
「おめでとー」
新年の挨拶を迎えオレ達はとあるポケモンセンターで年末を過ごす事になった。
「なぁなぁ、初詣に行こうぜっ!この近くに神社あるってジョーイさん言ってたし」
「いいわね〜行きましょ」
―――
「結構いるなぁ〜」
小さい神社だか、流れ入る人はいっぱいいた。
「サトシとアイリスは何を願うんだい?」
「えっとオレは…「サトシはどうせ、ポケモンマスターでしょ。わかりやすいのよね〜」
「別にいいだろ」
「まぁまぁ、ホラ順番回ってきたよ」
カランカラン
パンパン
(ポケモンマスターになれますように…それから………)
(シゲルに会えますように……)
自分の夢を叶えるために頑張っている幼なじみでライバル兼オレの恋人。
仕事が忙しいため去年は会うことがままにならなかった。
(年末年始は仕事って言ってたな博士…体とか大丈夫かなシゲル…)
「サトシ!」
「え?」
「何ボーっとしてるのよ。次の人の邪魔になるでしょ!」
「あっ、すみません…」
「何思い耽<ふけ>っていたんだい?」
「あっ、いや…別に…」
自分がこんなにもシゲルの事想っていたとは思わずなんだか恥ずかしくて耳の辺りが熱くなってきた。
「?」
「ねぇ、あそこでおみくじやってるわよ。行きましょ」
―――
「いいの出るといいわね」
(御守りとかお札とかも売ってんだな)
………
「そうだ!」
「えっ、ナニナニ?!」
―――――
「シゲルくん、オーキド博士からお荷物届いてるわよ」
「おじい様から?」
包みを開けてみると四角い箱と年賀はがきが一枚。
「この字…サトシの字だ」
多分、僕の行き先がわからないからおじい様に送ったんだな。
クスリと笑みを浮かべながら、箱に手をつけると…
「なにこれ?」
中に入っていたのは…念願成就・恋愛成就・仕事成就・交通安全等の御守りやお札。
「こんなにいっぱいじゃ、神様も混乱するよ」
どれもひとつが欠けないようにと、それがサトシの優しさと願い。
(落ち着いたら、連絡しよう)