短編小説

□ひみつきち
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暫くしてサトシが戻ってきた。


「シゲル〜昼飯たべよ〜」

一旦家に戻ったのか、サトシの胸にはピクニックに使うカゴを抱えていた。



「〜でさ…ママが一緒にいれてほしいっていわれたんだけどさ」


サンドイッチをほうばりながら、事の成り行きを話し始めた。


「オトナはダメってことわったんだ」

「ふーん、じゃあ子供はいいわけ?」


何かわからないがシゲルの胸をしめつけた。


「?何言ってるんだよ。ここはオレとシゲル、2人のひみつきちだろ?ほかのヤツに教えるかよ」

サトシの言葉で胸の中でもやもやしていた何かがなくなり心が温かくなった。

それからゆっくりと時間が過ぎ、空が朱くなり始めた。


「そろそろ、帰るか」

「えー」

「『えー』じゃないよ。ほら」

「む〜…じゃあ、あしたもここであそぼうな」





―――――翌日





「シゲル〜はやく」

「そんなに慌てなくても、逃げやしないよ」

「あった!………あっ!」
「どうしたんだ?……あ」

秘密基地としていた所はポケモンの親子達の住みかとなっていた。
二人はお互い顔見合わせ、笑いあいそこを後にした。





―――――

(結局、秘密基地は1日で終わったんだよな。なんだか懐かしいな)



「みんな〜秘密基地ごっこは終わりにしましょ〜」

「ユリさんここは俺に行かせてください」
「こういう戦隊ごっこって俺よくやったからあいつらの気持ちなんかわかるんです。」











―――――
オーキド邸


かさっ



「あぁ…懐かしいなぁ。確かここら辺だったな…秘密基地。」



「思えば、あの時からサトシの事想ってたんだな…」



「サトシ…」
(遠く離れていたって君を想ってるよ………)
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