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□下克上
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「疲れた…」
目の前にある積もるに積もった資料の山に目をやる。
…よくこんなものを一日で片付けられたな…。
自分で自分を褒めてやりたいよまったく…。
これもそれもぜーんぶそこで気持ちよさそうに寝ている団長のせいなんだがな。
ちょっと俺が仕事入って春雨を留守にしている間に恐ろしいほどの量の書類やら資料やらがたまっていたのだ。
しかも締め切りをみると大半は提出が明日。
当の団長はというとベッドのなかですやすやおねんねだ。
こうなったら今、自分がやるしかないと思い、
疲れきった体を震わせながら山に向き合ったのだった。
「団長、起きてください。」
健やかに眠っている団長を起こすのは気が引けたが、この際どうでもいい。
「うんゆ…はり?阿伏兎…お帰り。」
「団長、単刀直入に聞きます。」
「たんとうちょくにゅうってなに?牛乳?」
「あの資料や書類の山はなんです?」
「あれ?無視?無視かな?」
…。
このまま無視し続けても良かったんだが、さすがに鉄拳を喰らいそうだったので答えることにした。
「単刀直入ってのは…まぁ簡単にいえば前置きなしでってことですよ。」
「ふぃーん…」
わかってないなこいつ…
「で?あの山は何です?」
「上が勝手に置いってったんだよ。」
「少しは自分でやろうとか思わないんですかね…?」
「おもわまいよ。」
「じゃあ、この山はどうするつもりだったんですか。」
「阿伏兎に片付けさせようと思って放って置いた。」
…仕事で疲れている俺の事も少しは配慮してもらいたい。