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□恩返
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「団長!!」
俺は勢いよくドアを開け、中に入った。
「今日という今日は言いたいことを言わせてもらい…」
あれ?
っかしーな…
団長が居ない。
「団長?」
呼びかける。
返事は無い。
ベッドの中を覗く。
居ない。
……どこに行ったんだ?
あのすっとこどっこい…。
しかたねぇな…。
「神威、出てこいよ。」
名前を呼「阿伏兎!何できてくれなかったのさ?寂しかったんだぞ!?」
…
何処からかいきなり現れた団長。
こいつほど扱いやすい奴はそういないだろう。
「何処に隠れてたんです?」
「へ?隠れてなんかいないよ?今の今まで星10個くらい潰しに行ってたの!
阿伏兎も連れて行きたかったけど、たまには休ませておいてあげようと思って!」
そのせいでこちとらストレスがたまってんだよ!!
一言言ってけってんだばか!
「ほらぁ〜阿伏兎、過労死がどうだとか言ってたでしょ?だからだよ。」
「一言くらい言ってったらどうです?」
「なんでいちいち阿伏兎に報告しなきゃなんないのさ。」
これほどとことんムカツクもそういないと思う。
「大丈夫!お土産持ってきたよ!」
お土産?
「潰した星にお土産ができるようなところがあったのか?」
「う〜ん…潰す前に、美味しいもの無いかなって探してたの。んで、
探している最中にお土産屋さんにあったから奪ってきたんだ♪」
ほぅ…
こりゃあさぞかし店員さんは困ったろうに…。
「店員はうるさかったから殺しちゃったよ。」
てへっ
てへっ…じゃねぇ!
んーなことされてもちっとも可愛くなんかねーんだよ!!
…気を落ち着かせよう…。
「で?美味いものはありましたか?」
「無かったよ。やっぱりご飯は地球が一番!!」
そうですかよ。
「で、コレがそのお土産!」
団長の手の平に乗っているには小さな袋。
「何ですか?これ?」
「この香りを嗅ぐとね、気持ちがリフレッシュできるんだって!」
なるほど…?
団長にしちゃあまともなものをくれたもんだ。
「ありがとうございます。」
「うん。気にしないで?嗅いでみてよ。」
俺は素直にそれの香りを嗅いでみた。
なぜ
この時疑わなかったのだろう?
団長がまともなものを買ってくる(奪ってくる?)はずがない事を…。