NOVEL
□呪い
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捨て駒→元就×美伊
世はなんと無情なのでしょうか。
どんなに私が元就様を愛していても共に生きる事はできない。
元就様は主で、私は駒。
「美伊」
「はい。元就様」
元就様が柔らかく呼ぶのは私の名ではない。
正室なんて子種を残すための道具。
そう言って斬り捨ててしまえば良かったのに。
なのに元就様はあの女を愛してしまった!!
「美伊は元就様が大好きでございますよ!」
私が、私の方が貴女が来るずっとずっと前から元就様を愛していたのに!!
神はなんと無情なのでしょうか。
「大変でございます元就様!!奥方様が御倒れにっ!!」
嗚呼
神はまだ私を見捨ててはいなかったようだ。
騒然とする室内で私は一人微笑んだ。
End
安心して逝って、
私が代わりに愛すから