NOVEL

□毛利三柱
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志道と熊谷と桂


***志道


桂元澄にとって元就様は太陽のような存在なのだ。
元澄の世界は元就様を中心に回っているといっても過言ではない。
元就様がいなければ生きてはいけない。そういう男だ。
そういう存在は重しにしかならない。
元就様は神ではない。人だ。
毛利家と中国をあの細い体で必死に守っている。
私達が支えてさしあげねばならない。
何故それがわからないのだ。
元就様は幼い頃から苦しまれてきた。私は知っている。

私が元就様を御救いせねばならないのだ。


***熊谷


志道広良にとって殿は守護の対象なのです。
幼少の頃から側にいたせいなのか。彼の言う「罪」のせいなのか。
志道さんにとって殿はどこまでも守るべき人で、救わねばならない人。
彼の視界には殿しかいません。
私はあの方がそんなに弱い人だと思いません。
あのように揺るがない人を他に知りません。

私はあの方の生き様を近くでみていたいのです。


***桂


熊谷信直にとって元就様はひとえに興味の対象だ。
敵だった元就様に興味を抱き、誘われるまま配下になった。
その理由が気に入らない。元就様のやり方にずばずばと口を出すのも気に入らない。
元就様は唯一のお方。中国に必要な尊い方なのに。
俺が生きているのも元就様の為、今の俺がいるのも元就様がいるから。

俺が元就様の一番の駒になるんだ。


***


志道、熊谷、桂の三人は郡山城の一室で向かい合って座っていた。
毛利家の今後について話していたはずの三人の間にはいつしか不穏な空気が流れ、彼らは無言で茶を啜った。
それぞれ目が殺気立っているような気がしないでもない。


そこへ外の廊下をスタスタと速足で歩く足音が聞こえた。
三人は同時に湯呑みを置いた。
争うように襖を開けるとそこにいるのは……


「何だ、貴様ら…」


「やはり殿でしたか」
「元就様お出かけですか?私がお供致しましょう」
「俺が!俺がついて行きます!」



結論
みんな元就様が大好きです


End


このあと余りにうるさい三人に元就様がキレます。

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