NOVEL
□落陽、そして霧へ
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毛利夫婦で死ねた
「元就様……」
だんだんと冷たくなっていく彼女の体を抱きしめる。
「美伊は…元就様の妻になれて、幸せにございました」
力無く微笑む彼女にかけてやる言葉が見つからない。
「美伊…我を、おいて逝く…気か」
嗚呼、消えていく。消えないで。逝かないで。
「美伊は…いつまでも、元就様の御側に……」
太陽が堕ちる。
光が消える。
「美伊、我は…」
「元就様、愛してます」
太陽は沈み、もう昇らない。
身を染めるは絶望の、闇。
End
奥様の名前は大河から。
もちろん美伊は毛利家の太陽で最強で最凶