NOVEL

□軍パロ
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01.逃げる者






"逃げないと!!"

佐助は走っていた。
友の手を離さぬようにしっかりと握ってとにかく走っていた。
逃げねば軍に捕まってしまう。捕まれば酷い目にあわされ最後には殺される。

佐助と同じく明るい髪をしている友は一度捕まり、非人道的な暴力の果てその喉は二度と使えぬようにされた。目のまわりの火傷も見られたものじゃない。
佐助と金髪の友が決死の救出作戦を決行していなければその命は既にこの世に無かっただろう。


逃げないといけないのだ。

この国は排除しようとしている。佐助達のような異色な髪の者を。
この国では髪の色が皆と違うだけで排除すべき存在とされる。簡単に殺される。
「なんでだよ……」
佐助は走りながら呟いた。

髪の色が違うだけ、たったそれだけ。
十数年前までは普通に暮らせていた筈なのに新しい国王になった途端に…馬鹿な国王が"異色の者共を排除せよ"って一言言っただけで街の人達は敵になった。
「なんでなんでだよぉ…っ」
佐助は必死に走り続けた。

もうこの国に居場所なんてないと、知っていながら。






ただ逃げ続けるだけの絶望の日々



 

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