short
□お祭りと硝子玉
7ページ/11ページ
その表情<カオ>が見たかったシリーズ
サナダテ
幸村視点
その壱
<絶望>
貴方が奥州の筆頭だからでしょう?
だから俺とは付き合えないんでしょう?
建て前とか、責任感とか、そんなものが高い高い絶壁になって、俺達を阻んでいるからでしょう?
ならばほら、全部壊してしまえばいいんだよ。
「旦那!なんでこんな事するの!?」
なんで?
そんなの。
「政宗様にっ……何を…した…!!」
何をって?
そんなの。
「決まっているであろう?」
ああ、何もかも真っ赤だ。
炎も鮮血も、熱いものは大抵真っ赤。
「みんな、消えました」
笑いかけると、歪む表情。
「…幸…村…」
かすれた声と伝う涙。
ああ、なんと。
「なんと、美しい」
そう、その表情<カオ>が見たかった。
fin
病んでるのは書いてて楽しいです。
.