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□未定
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「政宗殿!好きです!!」


「黙れ死ねこのバカ村が」


城中に響き渡るほどの大声でのアホな会話は、かれこれ20分前から奥州の城、政宗の部屋にて行われていた。


「どうすればこいつは正気に戻るんだ!」


「某は気を狂わてはおりませぬ!しっ…強いていうならっ…政宗殿に狂っておりますがっ…///」


「恥ずかしそうに言うな!!キモいウザい!」


「っ…!?言葉攻めでござるか!?ですがここはサナダテサイト…はっなるほど!政宗殿!某は襲い受けも許容範囲n「シャラアアアップ!!Shit!話が全然通じないそして言葉攻めでも無い!!何だお前ホントに日本人か!?」


ぎゃあぎゃあと、最近気がつけばこんな会話ばかりしている。


無限ループ。


浮かんだ言葉はあながち間違いではない気がして、政宗は大きくため息を吐いた。


「…政宗殿?」


先ほどまで延々と彼の魅力を挙げ連ね一人悶えていた幸村は、ため息を吐いたきり、ふと黙ってしまった政宗に首を傾げた。


心から心配そうに自分を見つめるその顔を見て、政宗はすうっと目を細める。


好きだの愛してるだのと言われるのが、嫌な訳ではない。


自分は孤独を好むタイプでも無いし、ましてや他人を信じられない性格でも無い。


ただ。


(毎日会って好き好き連発されると、なんか真実味が減るんだよ…)


そう言えば幸村は、なにを言うのでござるかと叫ぶのだろう。


自分の愛は本物で、政宗殿と会えないなど耐えられないとも。


……俺は、どうなんだろう。


ふと脳裏を掠めたその考えに、政宗は少し悩み、おやと眉を顰めた。


「…あの〜…政宗殿?某、放置プレイは苦手というかなんというか…」


「…I don't know」


「へ?」


遠い目から急に真剣な目へと変化した政宗の唐突な言葉に虚をつかれ、幸村は目をしばたかせる。


いまいち状況が掴みきれてないといった風なその顔を睨みつけるように見据え、政宗は宣言した。


「一週間!俺に会いに来るな!!」


「えっ…嘘ぉ!?一週間も!?」


「毎日毎日会いに来るお前の方が異常なんだよ!!仕事は!仕事はどうしてんだ!!」


口に出せないままだった常々の疑問を思いきりぶつけると、幸村は不敵に笑った。


「戦以外は全て佐助にやらせた」


(くっ…黒い…!)


圧倒される政宗を、面白そうに見つめる幸村。


「どうしたのでござるか?顔色が優れませぬが…」


「なっ…何でも無い!とにかく!一週間だからな!一週間、死んでも会いに来るなよ!!」


若干残る恐怖を振り切るように宣言する政宗に。


「うわああん!!何でだああ!!」




と、いう訳で。


仮遠恋実験、スタートです。



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