ツナ受け 短編

□あなたに愛を捧げます。
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いつものように晴れている空。
いつものように鳴いている小鳥たち。
なにもかもがいつもと同じだと思った。
その時までは…。

「青い空が綺麗ですね。」
「そうだね。綱吉。」
コロコロ
「あ、リングがっ!!」
「綱吉!!危ない!!」
「え?」
ドカッ
「綱吉っ!!?」

僕はバカだ…。
綱吉の手を引けばこんなことにならなかったのに。
僕の不注意だ…。
そのせいで綱吉が…。
交通事故にあったんだ…。
今は、意識不明の重体。
ごめん。
謝って済む問題じゃないけど…。
ごめん…。
その日から僕はあんまり外に出なくなった。

「雲雀、今日も出てこねぇな。」
「これじゃツナにあわせる顔がないのな…。」
ガチャ
「「!?」」
「あなたはっ…。」

あの日から僕の中は罪悪感でいっぱいだ。
何をしていてもつまんない。
綱吉もいない。
今、綱吉がどうゆう状態なのかも知らない…。

「僕らしくないな…。」
「そうですね。」

独り言のはずだったのに誰かから返答が聞こえ、
慌ててそちらを振り向く…。
すると…。

「ただいま帰りました。」ニコ
「つ、綱吉…?」
「はい。」
「綱吉!!」ギュ

そのまま僕は無言で綱吉を抱きしめた。
綱吉も何も言わず僕を抱きしめた。

「お帰り。そして、ごめん…。」
「なぜ、雲雀さんが謝るんですか?」
「え?」
「悪いのは、よそ見をしていた俺です。」ニコ
「っ。」

ホント優しいね…。
優しすぎるよ。

ギュ

僕は、さっきよりも強く綱吉を抱きしめた。

「僕は、君だけに愛を捧げるよ。」
「俺もです。雲雀さん…。」

Fin

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