★☆テキスト☆★
□蒼い翡翠の瞳4
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しばしの沈黙を破ったのはユリウスだった。
「実は、君を呼んだのには理由があるんだ」
「理由?」
「そう、理由。スティア、俺の母から何かもらわなかったか?」
「う〜ん、もらった覚えは・・・」
「そっか、ならい「あっ!」」
ユリウスがすべてを話す前に、スティアが何かを思い出したのか、声をあげた。
「もっらた!もらったよ!」
「本当か!?」
ユリウスは、スティアが思い出したのを何故か嬉しそうに聞き返した。
「それで、いったい母は何をあげたんだ?」
「えっと、たしか・・・」
そう言うと、スティアは自分の服のポケットに手を入れ何かを探していた。かと思うと、ユリウスに「ちょっと待ってて」と言うと部屋に戻っていった。
ユリウスは、そのスティアの行動に不思議に思ったが特に何も言うことなく待っていた。
「ゴメンゴメン待たせて!」
スティアが大きな声で謝ると、さっきまで何も言っていなかったゼレアがスティアに向かい文句を言い始めた。
「あなたは、声を控えるということができないんですか?まぁ、馬鹿ならしょうがないですが。それに、ユリウス様を待たせるとは何様のつもりですか?」
「いや〜、そのなかなか見つからなくって、、、っていうか馬鹿なのは関係ないってば!!」
ユリウスはまた始まった、スティアとゼレアの喧嘩にため息をついた。
「それより、何を母はあげたんだ?」
さっきから気になっていたことをスティアに聞いた。
「これ」
そういい、スティアがユリウスに見せたのは懐中時計だった。
「師匠からもらったといえばこれしかないよ?」
そういうスティアの言葉を無視するかのようにユリウスはその懐中時計をずっと見つめ何かを考えていた。
「ユリウスどうしたの?」
「!?」
さっきまで何かを考えていたユリウスはスティアが発した言葉に驚いたように目を開いた。
「?」
「あ、いやスティアにその名前で呼ばれるのが初めてな気がして」
「そうだったっけ?」
スティアは少し考えたが面倒くさくなり考えるのをやめた。
「まぁ、いいや。それよりこれが何か関係あるの?」
ユリウスは少し考え、スティアに言った。
「そのうちわかるから、今日は教えれない、、、」
「なんで?」
「ごめん、今は。もう遅いしほら部屋に戻ろう」
スティアの質問には答えず、ユリウスは部屋に戻ろうとスティアをうながした。
*☆*