怖い話


□電話 
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これは、50年程前のお話です。

某アパートにある夫婦がいました。夫婦は毎晩のように電話のコール音に悩まされていました。

ある夜、奥さんが
『隣から音が鳴ってる』ということに気付きました。
次の日、隣に聞いてみると、
『ウチに電話はない』といわれました。
ですが、やはり音は隣から聞こえます。
その夜夫はもしやと思い、壁を壊し始めました。
すると、壁の中から、お札が沢山貼られた“黒電話”が。

…夫は恐る恐る電話を出し、未だ鳴り続ける電話の受話器を徐に取り、ゆっくりと耳に当てました。

電話からは、聞いたこともないドスのきいた低音で、
『ヴー… ヴー…』という唸り声。

次の日の朝、隣人がアパートの管理人に、昨日の夜、やたら隣がうるさかった事を伝え、その夫婦の部屋に行って見ることにしました。

−ガチャ

鍵は掛かっておらず、玄関から呼んでも返事がありません。
おかしいと思い、隣人と管理人は、夫婦の寝室に行きました。
すると、夫は壁にうつかった状態で、コードが切れた電話を持ち、耳から血を流して死んでいました。妻は放心状態で、その後の消息は不明だそうです。








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