06/18の日記

14:37
【6/16寝言事件】
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始発から二番目の新幹線の中、窓際に座った佐助は早々に夢の中だ。
昨夜も遅くに玄関のドアが開いたのを、俺はベッドの中からその音を聞いた。

「どこか行きたいなぁ」

そう佐助が言ったのは春先。連休をもぎ取るのに、二ヶ月もかかっちまった。

そして今日は、晴れてコイツ念願の一泊2日の小旅行。
俺は週に一度は乗る新幹線も、佐助にとっては数ヶ月ぶりになる。
時刻表サイトで何度も何度も確認している姿には思わず笑ってしまった。
そういえば、これから行く先で佐助が観たいと言っていた資料館。開館時間は何時からだろうか。
サイトを検索しようとスマートフォンを弄っていると、

「こじゅうろお、さぁん…」

寝ぼけた声が聞こえてきた。

「ん?なんだ?」

そして顔を向ければ、俺の顔を見た佐助はふにゃりと笑い

「きょう、手ぇ繋いで…あるこうね…」

「……!!!」

そしてまた静かに眠りに落ちた。

(な、な、なんだ??)

取り残された俺は驚きの余り、スマートフォンの電源を切ってしまった。
たった一言だったが、衝撃的な一言に同様が隠せない。
そして、消してしまったスマートフォンの電源を再度入れる。資料館の開館時間を調べるのは後だ。と、いうより、佐助には悪ぃが行けねぇ確率の方が大だ。

(畜生……夜まで我慢できるか!)

緩む口元を押さえながら、俺はホテルのチェックインの時間を調べた。

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