BASARA話 2

□2012年 金環日食記念w
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「んんっ・・・・は、・・・あっ・・」

朝、いつも通りの朝を迎え、いつも通りに朝食を作り、いつも通りに小十郎さんを起こしに行ったら、そのままベッドに引きずり込まれた。
今日はバイトは休みだし、久々にゆっくりとした朝を迎えるハズだったのに。

「小十郎さんっ、・・仕事・・遅れちゃうよ。」

「ああ?そんな人の心配してるなんて、まだ余裕って事か?」

「ち、ちがう・・・、ちょっ・・!・・んんっ!!」

俺の素肌を舌が這い、弱いところを甘噛みされて。
やめて、と言おうとしたけれど、それは彼の唇に吸い取られてしまった。

「んんっ・・はぁ・・んっ!」

「どんなに否定しても、こっちは気持ち良さそうにしてるもんなぁ?」

俺の中心は彼の手の中で弄ばれて、理性とは裏腹に気持ち良さが増してきて。

「ああっ・・はぁ・・はぁ・・」

乱れた呼吸が部屋に響く。

彼の手の動きに全てを委ねて、俺は小十郎さんの胸元に顔を埋めた。



その瞬間



・・・・・『それでは各地で金環日食の状況でーす!!』



つけっぱなしにしていたTVからの音が、ドアを開けた寝室にまで届き、俺は現実に引き戻された。

「ちょっ!そうだよ!!今日金環日食ーー!!」

ガバリと飛び起き、カーテンを開ける。
起きたときには眩しい位だった日の光は、眩しさは変わらずとも差し込む光が薄暗く感じる。
そしていけないと判っているが、一瞬みてしまった太陽は、もう三日月ほどまで浸食されていた。

「うわぁ!すげぇ!!・・見た?小十郎さん、見た??三日月みたい!!」

「・・・・・・」

興奮する俺とは裏腹に、至って冷静な小十郎さんは、はぁ、とため息をつき乱れた前髪を掻き上げた。

「あーっ!もう、輪っかになる時間じゃん!日食のグラス、用意しとけばよかったなー。」

日食ごとき・・と思っていた1週間前の自分を恨んだ。
日毎ヒートアップする特集に、自分も見てみたい想いが強くなり、昨日グラスを買いに行ったら既に売り切れた後だった。

「はぁ・・次は何年後だろ・・」

ガクリと項垂れれば、ぽん、と肩を叩かれた。

「ん?なぁに??」

「これを見てみろ。」

そこにあったのは、小十郎さんの拳。

「なに?何か握ってるの?」

「手じゃなくて・・ココだ。」

指差されたのは、白いシーツに映った拳の影の・・・

「ココ、見てみろ。」

真ん中に開いた、小さな光。

「う・・わぁ!!・・三日月!!すげぇ!三日月だ!!」

「ピンホールからでも、影で日食が判るの・・知らなかったのか?」

「うん・・知らなかったよ、凄いね。」

俺と小十郎さんは暫くその影を見つめていたが、だんだん辺りは薄暗くなり、そのピンホールの影もぼやけてきた。

「ああ・・消えちゃったよ。」

「空じゃ、いよいよリングになるって事だな。」

「そっか・・。やっぱりグラス、用意しとけばよかったな。」

たしか日食は来月にもあるとかなんとか。
昨日見たTVの特集でも言っていた気がする。
白いシーツに映る小十郎さんの拳の影もいよいよぼやけて、同時にリビングのTVからは「見えましたー!」という女性リポーターの歓声が聞こえてきた。

「小十郎さん、ありがとね。日食見れて良かった。」

リングが見れなかったのは残念だけど、貴重なモノ見れたよ。

薄暗くなった外を眺めながらそう伝えれば、ふわりと後ろから抱き締められた。
先程の行為から、お互い上着は着ておらず、お互いの体温が直に伝わり心地いい。

相変わらず小十郎さんの手は拳を作り、その影が柔らかく胸元に映っていた。

「ああ、ありがと、小十郎さん。もう大丈夫。日食堪能させてもらったし、影もしっかり見れたから・・」

その拳を手で包み、見上げながらに礼を言えば

「日食・・閉じ込めたんだがな。」

「はい??」

ふっと笑う、その笑顔は優しいもので。

「そんなグラス越しじゃねぇ、本物の”リング”だ。」

そしてそうっと拳を広げる。


そこに在ったのは


一つの


「何これ。・・指輪?」

その”リング”と小十郎さんを交互に見遣る。

「ああ、これからお前が一生身に着ける”リング”だ。」

そう言って俺の左手を持ち、それを薬指に嵌めた。

「次の日食が何十年後だ?・・また一緒にこの日を迎えればいい。」

「・・・うん。」

「次に見る時は、ちゃんと”グラス”用意しねぇとな。」

「・・・・。」

その薬指を見ながら返事をするも、喉が詰まって声が出ない。
もっと、もっと、言うことが他にあるはずなのに。

「おいおい、せっかく今日が晴れたってのに、ここだけ雨か?」

ぽたり、ぽたり、と、シーツに涙が染み込んでゆく。

「雨なら、今日は出掛けねぇで家にいるか。」

せっかく休み取ったのにな、と言いながら、くい、と顎を持ち上げられた。

「その前に。答え、聞かせてくれるよな。


結婚しよう、


佐助」




「う・・ん。」




俺は何とか声を振り絞り、返事をした。
それを聞くと小十郎さんは俺共々ベッドに倒れ、そして優しいキスを降らせてくれた。



俺様、もう金環日食なんて見なくていいや。

だって、いつでもココで見れるんだもん。

ああ、でも今よりもっとオジサンになった小十郎さんと一緒に見るのもいいな。



彼の肩越しに左手を伸ばし、カーテンから差し込む光にそれを掲げる。
すると、きらり、と眩しく光った。







・・・・・・・・・・・・・・・・
管理人、日食体験後、1時間くおりてぃ(;^_^A

ベタだよね、すみませんww

手で輪を作っても、その大きさってどのくらい?とか思ってる内に日食終わったよ。
影もぼんやりだったですね。ウチの周り。

ホント、グラス買っておけばよかったorz


そんな私の日食記念。(決して、甘いものではなかったですw)

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