BASARA話 

□さくらさくら
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「・・・Beautiful!」

「はい、丁度今日が満開だと。某の自慢の桜故、存分に楽しまれよ。」

片手にクレープ、そして、もう片手にはチョコバナナ、更には綿菓子の袋を持ち、満面の笑みで旦那は言った。
その言葉に「今は”上田の”桜な!」と突っ込みながらも、幸せそうな笑みを浮かべる独眼竜。


現代の上田城。


千本桜と称されるように、城跡地に植えられた数えきれないほどの桜の木。
季節が冬から春へと移る時期。
スケジュールを空けるよう、真田の旦那は独眼竜へ誘いの連絡をいれた。
それでも3月から4月の企業は色々と忙しいのだろう。全国的に少し遅めの開花宣言を良いことに、上田への来訪は先延ばしとなっていた。

「上田に来るの、やっぱり無理かな?そろそろ蕾も大きくなってきて、旦那もそわそわしてるんだよ。なんか・・どうしても竜の旦那に見てほしいらしい。あ、これは内緒の話ね。」

きっと、強くは誘ってはないだろう主の本心を、こっそりと伝える。

『ああ、すまんな。4月はグループの総会に新人研修への出席、取引先との会合に・・』

「うわ・・」

『すまん。』

電話の声が本当に申し訳さなそうで、これ以上誘って困らせてはダメだけど、

「俺様も・・俺様も、小十郎さんと一緒に桜が見たかったんだけどなぁ。」

『・・・・・・』

ついつい本音が漏れてしまったが、これはもう後のまつり。

(やばい・・)

そう思いつつも返答を待っていたが、急に告げられた”仕事に戻る”という一言で、電話は切られた。

(怒らせちゃったかな。)

何気なく言ってしまった一言を反省しつつ迎えたその翌日。

真田の旦那の携帯に

『来週末、上田に行く』

独眼竜からの、一言だったが喜ぶには十分な内容のメールが届いた。
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