BASARA話 

□ドS政宗×かっこいい幸村でライバルなダテサナ
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「一本っ」

審判役の後輩の声が体育館に響き渡る。

挨拶をするため互い向かい合ったが、審判の声を勝者が遮った。


「Hey!幸村。まだまだヤれんだろ?」

「流石でござるな政宗殿。あの素早さ、某、初めてでござる。それなのに息一つ乱れていないとは。」

ハァハァと肩で息をしている幸村。

「もう一本どうだ?」

「望むところ!」

「そうだな。じゃあ、防具取り払ってみるか」

「…っ!!」

「心臓と顔は避けてやるよ」

政宗は挑発的な笑みを浮かべた。

「先輩っ!!」

審判役の後輩が慌てて声をかけるも、もう遅い。


幸村は防具に手をかけた。

「そうでごさるな。」


するりと紐を解く。


「では、どちらかが気を失うまでの勝負といたそうか?」


面を取ったその顔は、これもまた挑発するには十分な表情で。


審判ですら言葉を失った。

「……Ha!!」

ぴんと貼りつめた空気がびりりと揺れた。

「jokeだ、幸村。」

「なんと!」

「結果が見えた勝負はする気が無ぇんだ。」

一方的に挨拶の形をとり背中を向けた。

「政宗殿っ、逃げるつもりか!!某、そなたに負ける気なぞ毛頭ござらん!!」

幸村の叫び声が響き渡る。



ばぁか、


今、その顔に


俺の心臓が貫かれたんだよ。







幸村が政宗の心情を知るのは、


まだまだ先の話。

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