銀魂 話
□なに見てはねる?
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団子屋の軒先で見つめ合う男女二人…
「よう、チャイナ。」
「何ヨ。」
見つめ合うより、睨み合うの方が正しくて。
「明日、屯所に来んだろ?」
「依頼が入ったからナ、しょうがなく行く事になったネ」
未だぶっきらぼうに答える少女に、沖田は薄く笑みを浮かべて言った。
「仕事終わったら俺の自室へ寄ってくれぃ。古着があるから持って行って欲しいんでさぁ」
少女は、解ったと頷き、クルリと傘を回転させて去って行った。
「ただいまヨ。」
「おかえり、神楽ちゃん。」
新八は台所からひょこっと顔だけ出して、神楽を迎えた。
「銀ちゃんはー?」
「出掛けたよ。明日の仕事の資材調達。お昼ご飯は僕達だけで食べてていいって。」
神楽から買い物袋を受け取り、中身を確認する。
「もう出来るから待ってて。これ刻んだら出来上がり。」
しばらくすると、トントンと小気味良い音が聞こえてきた。
「ねえ新八ぃ。明日の仕事の後に、もう一個仕事入ったアル」
「え?銀さんからは何も聞いてないよ?」
暖簾を潜る彼の手には、刻まれたネギと小さな器が二つ。また素麺かヨ、と言う文句はかわされ、それは居間のテーブルへ置かれた。
「さっきサドから言われたアル。えと…古着あるから持ってけ…って。」
「ふぅん?それって…古着屋に売ってこいって事かな。折角売っても依頼しちゃったら、依頼料で消えちゃうよね。自分で行けばいいのに。」
「よくわからないアル。」
「銀さん帰ってきたら聞いてみよう。」
うん、と頷き、未だ帰らない主を思い外を見やれば、スイとトンボが通り過ぎた。