銀魂 話

□日常の中の非日常
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…逃げられた。



空を仰げば、雲一つない青空。視界の隅には鯉のぼりまではためいて。

…こんな平和な日にぁあ、

「探すのもバカらし。」

誕生日…だからか、朝から気は緩む一方で。

もう誕生日を祝う歳でもないのに、浮き足立ってる自分がいる。



いつもの巡回のルート。

いつもの巡回パートナーのサド王子。

そして、いつものように逃げられて。


連休最終日の今日は、予想していた混雑ぶりからは程遠く、いつもと変わらぬような一日は、穏やかに、穏やかに過ぎていった。






「親父ーっ、いつもの。」
「はいよー」

赤い毛せんが敷かれた腰かけに座り、奥にいる店の主に声をかけた。

「どうも、土方さん。」

暖簾をくぐり、愛想のよい親父が顔を出して

「はい、いつものマヨ団子ね」

見回りご苦労さまです、と付け加えて、コトリと皿を置く。

茶をすすり、ソレにかぶり付いた。

…ああ、うめぇ。

やっぱ団子にゃあマヨだ、マヨ!
みたらしならまだしも、餡子なんて甘いもんじゃあ、


食えやしな・・・・・・い…


ふと頭に浮かんだ、ふわふわ銀髪綿あめ頭。


今日は仕事だろうか、いや、それは無いな。
子供の日だから、ガキ共と出掛けているかも。

ぐるぐると頭の中をあの銀髪が駆け巡ったとき、目の前を赤いモノが横切った。
視線をやれば、それもこちらを見つめてる。

「おう、チャイナ。」

「おうよ、マヨラー」


………


………


両者無言。

それを打ち破ったのは神楽だった。

「私、お使いに行くネ」

「…?」

なんか色々抜けてて、意味が解らない。

「お登勢ババァから柏餅貰ったヨ、沢山。」


あぁ、その風呂敷包みか。

「銀ちゃんが、サドにもあげろって言うから、こうやって女王様直々に参ってるネ」

女王様って…女王様はお使いすんのか?
いや、それより…

「あいつなら屯所にゃ居ねーかもな。」

「また逃げられたアルか」

「…うっせーよ!」

図星をつかれ、誤魔化すためにタバコに火を付けた。

「銀ちゃんはそう言ったけど…」


……?


「ホントのお使いは違うネ」

あぁ、また意味が解らない。何だよホントのお使いって。どんなミッションだよ。

「銀ちゃんね、屯所行ったついでにマヨラー居たら、コレ渡してこいって。」

そして風呂敷包みの隙間から、茶封筒を取り出した。

「゛この前の請求書゛って言ってたネ。」

探す手間が省けたアル。
そういいながら、土方の前に突き出した。



…請求書?何にも依頼してねーぞ?架空請求?


そしてその薄っぺらい封筒を受け取り、封を破り中を覗いた。

中には紙切れ一枚。

「コレ渡したら、姉御のウチいくんだー。」

指先をねじり込み、紙切れを取り出す。

「ちらし寿司作ってくれるって言ってたヨ。」

二つ折りにされたソレを開けば

「…なんか、ゴリラもいるみたいだけど。」


そこには……


「まぁ、ウチでニヤニヤしっぱなしのマダオを見てるよりは、ぜんっぜんいいネ!」



  たんじょうび
  おめでとうしろう(笑)
  夜、家に来いよ
  ぎんさん より



がばりと顔を上げたら、してやったり顔のチャイナ娘。


………やべ…ぜってぇ顔真っ赤。


「これで隠してるつもりになってる銀ちゃんの浅はかさがマダオなんだヨ……………あっ、サドね、ヤツがいたネ!!」

そう言って走り去り、暫くしてドゴォォォンという爆発音が聞こえた。






いつもの巡回ルート。


いつものようにパートナーに、


逃げられて。



そして

いつもの団子屋で団子を食べてたら、



やってきたのは

いつもの娘と…










特別な、特別な、
甘いお誘い。








END
・・・・・・・・・・・・・・
土方はぴば!
1年目に書いて携帯に保存しといて、このサイト立ち上げたときにコソッと銀魂部屋作って置いておいたものです・・・。

好きなんだよ、土方vv

もう、夜は銀さんに食われるんだろ?
明日の休暇は取ってあるのか?
きっと近藤さんは休みをくれるさ。
だって、足腰たたなくなってるだろうし!

すみません。
管理人は自重という言葉を捨てました。
でもR18を書けないのは、頭の弱さからですすみません。

もうとにかく

土方はぴば!!!!!!
 

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