東方2次創作

□第四話
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 身体が火照るような感覚とともに俺の意識がはっきりとしてきた。


「どうですか?身体に不自然なとこなどはありますか?」

 俺は、手をグーパーグーパーとする。首を回してみる。少し走ってみる。


「すいません。鏡を貸してくれませんか?」


 そう言うとすぐに鏡が手に渡された。


「蘇生することは32年ぶりですが、完璧に行った自信はあります。ですが、まんいちということもありますから」


 と、少しオドオドした感じで言ってくるとこ見ると、イジメテみたくなるものだ。


「あーーーっ」


 ちょっと大袈裟に声を上げてみる。


「ど、どうしました?何か不都合がありました?」


 やべぇーー可愛いぃー


 そんなことを考えながら、真面目な顔で答える。


「俺の顔が若干ブサイクになってるんです」


「は?」


「いや、だから俺の顔がブサイクになってるんですって、まぁ、元が良いからまだイケメンに見え……」


 と、そこで俺の言葉が遮られた。


 だって、"ぷちーん"って聞こえてもおかしくないぐらいキレてるのが分かる鬼がそこに現れたんだもん。


「裕樹」


「……」


「裕樹!!」


「は、はいっ!」


「貴方は何をふざけているんですか?」


「いやぁー、生き返った嬉しさにはっちゃけ過ぎました」

「そもそも、貴方のせいで私の仕事が増えているということを分かっているんですか!」


「いや、それ俺のせいじゃ…」


「言い訳など見苦しいですよ」


「すいません」


「そこに正座しなさい。今から説教をしてあげます」


「うっ」


「なんですか"うっ"とは?説教をしてもらえることに感謝しなさい」


「はい。ありがとうございます…」


「お礼は終わってからしなさい。それでは、いきますよ」





〜15分後〜





「分かりましたか?」


「はい。ありがとうございました」


 なんか、すでにもうどうでもよくなってきていた。

 (外見はいいのに中身は鬼だ)


「分かればよろしいのです。それでは行きますよ」


 そう言って部屋を出て行く閻魔様の後を俺も追いかける。


「そう言えば言い忘れていましたが」


げっ、まだ何か言うのかよと、俺がたじろぐと


「裕樹の顔はイケメンなんかではありませんよ」


ニコッと言ってきた。





 うん、そんなもん自分が一番分かってますよ……
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