VitaminX小説
□we love you!!
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「オイコラマジ諦めろっつんてんダロ!!」
「いーやーだぁっ!!」
前からは清春くん、後ろからは息子春斗に抱きしめられる?抱きつかれる?様な体制で繰り広げられている今の戦闘
話せば長くなる事ながら、話は数十分前まで遡る―――
ある昼下がりの日曜日。
洗濯ものをたたんでいる最中急に清春くんがやってきた
「どうしたの?」
と聞いてみればただ一言「ネミィ」と言って私の膝を枕にそのまま寝転がってしまった
「きよはるくーんまだお洗濯物たたんでる最中なんだけど?」
そうは言ってみるものの、すうすうと寝息を立ててすでに眠っている
「…疲れちゃったのかな?」
何だかんだ言いつつも清春くんは子どものめんどうはもちろん、時間があれば家事だって手伝ってくれる
…そのついでに悪戯を仕掛けていくことが殆どだけど
今日も朝から春斗と一緒に早く起きて遊んであげてたし
本当はこれが終わったら3人でどこか出かけようかと思ってたんだけど…
「これじゃ無理かな」
そういいながらふわふわの黒髪を撫でてあげたら「ンー」と寝返りを打ってすごく気持ちよさそうな顔をしていた
そんなことをしていたらどこからか視線が…
その視線の方を見てみれば、息子がドアからこちらをじーっと見ていた
「どうしたの?」
と声をかければてちてちとこっちにやってきて「…ずるい」と一言
「何が?」
と聞けば「それ」と私の膝の上で寝ている清春くんを指差す
これは…自分にも膝枕をしてくれってことなんだろうか
「えっと…春斗もこれして欲しいの?」
「…うん」
となんだか寂しげな顔でこちらを見てくる春斗
困ったな…この子も清春くんと同じで言い出したら聞かないからきっと膝枕をしてあげるまでずっとこのままだろう
幸い清春くんはもう深い眠りについている様だし…
(ごめんね清春くんちょっと下りてもらうね…)
よいしょっと清春くんの頭を膝からおろそうとした瞬間―――
「…渡すわけネェダロ!!」
ガバっと寝ていた筈の清春くんにお腹のあたりに抱きつかれた
「え!ちょっ…清春くん!?起きてたの!?」
「オイ春斗オメェいい度胸だナァ?人のモン取ろうだナンテヨォ?」
「うぅー…パパばっかりずるい!!ぼくもままといちゃいちゃしたい!!」
そう言ったかと思うと春斗も私の背中というか首に抱きついてきた
「ちょっと…春斗も何やってるの!?しかもイチャイチャって!?」
「オイ!離れヤガレこのガキ!ツーかイチャイチャとか言うナ!意味違くナンダロ!!」
「イヤ!ぼくもママにひざまくらしてもらうの!!いちゃいちゃするの!!」
「ダレがさせるかってーノ!!つかゼッテェ渡さネェ!!」
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…そういうことで何故か私の膝枕を巡って旦那と息子は今も戦闘中である
正直、そろそろ辛い。何がってこの体制が
お腹のあたりは清春くんが抱きついているから苦しいし、後ろは春斗が首に抱きついているからこれも苦しい
それなのに二人はお構いなしにもっと力を込めてくる
流石に…もう限界!!
「いい加減にしなさい!!!」
と怒鳴ると一瞬二人の動きが止まる
その瞬間に二人の首根っこ掴みそのまま二人の頭を膝に乗せた…というか押し付けた
「オッ…オイ悠里何してンダヨ!!」
流石の清春くんもこの行動には驚いてるようだった
「喧嘩両成敗よ!そんなに私の膝が好きなら二人で仲良く使いなさい!」
「ハァ!?」
「えぇ!?」
「文句言わない!!そんなこと言うならもう二人とも膝枕なんてしてあげないんだからね!」
そういわれては二人とももう何も言えない様だ
だけどまだ納得できないのか二人は眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔をしていたが、そのうち本当に眠くなってきたのかいつの間にか寝てしまっていた
「全く…やっと寝てくれた」
寝ている姿だけ見ればどちらも天使のようにかわいらしい
(…それが起きると子悪魔だものね。まぁ大きい方の小悪魔はもうただの悪魔と言っても過言じゃないけど)
そんな小悪魔な天使たちを見ながら思う
正直こんな毎日も…最近嫌いじゃないかなって
だってこんな風に私のことを取り合ってくれるなんて本当は凄く嬉しいしなにより『愛されてる』んだなって実感できるから
…まぁ大概度を越しちゃうのが玉に瑕なんだけどね
we love you !!
愛されてます。愛してます
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アンケリク『ママは誰のもの?続編悠里の膝枕争奪戦』でした
なんかものすごくながーくなってしまってスイマセン
あと息子に名前が付きました『春斗(ハルト)』くんです。理由は息子でごり押せなくなっただけです
それでは、ありがとうございました!
2011.5.3