VitaminX小説

□ありったけの愛を込めて
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5月9日。


毎年この日は私の愛する彼、清春くんの誕生日


今年も二人で(清春くんの)料理や買ってきたケーキを食べて何気なく過ごしていた―――






「…何?これ」


急に目の前に差し出された小さな箱


キレイにラッピングしてあるし…まるで誰かのプレゼントみたい


(もしかしてB6の誰かからもらったのかな?それでこれ見よがしに私の前で開けようとしているとか?)


なんて考えていたらガサガサとラッピングを破いている様な音


そしてその小さな箱から清春くんが取り出したのはシルバーの指輪だった




「うわ〜キレイ…でもこれどうしたの?」


「アァーン?んなの決まってンダロ!」


そう言って私の手を引っ張り指輪を指にはめた




「…えっ…これ」


指輪がはめられた先は左手の薬指


これってもしかして…





「アーあれだ…『バンテージリング』とか言うんだっけか?」


「…それを言うなら『エンゲージリング』でしょ!!女の子の夢壊すような事言わないの!!」


「オマエの口からその言葉が出るってことはコレがどういう意味か分かってるって事だよナ?」


「…っ!?でっでも…なんで?」



だって、意味が分からない


今日は清春くんの誕生日であって私が何か貰うべき日ではない


しかもエンゲージリングって…





「…この指輪をオマエがすることでオマエはオレ様に繋がれる」


静かに切り出された言葉にいつもみたいなふざけた様子はなかった


知っている

清春くんがこうなるのは本当に真面目な話をするときだからだ




「…だからそうすれば、オマエはもう一生オレのモンだろ?」



そう言って指輪をはめた左手にキスをする清春くん


その姿はまるで御伽噺の王子が姫に愛を誓い合う様な場面を連想させた





ずるい…ずるいよ清春くん

今日は私が清春くんを喜ばせてあげる日だったのに



「…これじゃ…立場っ逆だよ…っ」


「逆じゃねーよ。これでオマエがオレのモンになればそれがオレにとって最高のプレゼントだろ」


さらりとそう言う清春くんはなんだいつもより大人っぽく見えて、凄くかっこよくて、涙が出てきた



「…泣いてンじゃネーヨ」


「っだって…っ」



そんなこと言われたってこんなことされて泣かない方がおかしい…









不意に体を引き寄せられて抱きしめられる


「ったく…しょーがネェなぁ悠里チャンはヨォ」


そんなことをいいつつ子どもをあやす様に優しく私の頭を撫でてくれる






「ナァ、悠里…」


「っ…ん?」


「オレと、結婚してくれ」


「…っは、い!」




涙でぐちゃぐちゃであろう顔で精一杯の笑顔でそう言う


それを見て清春くんも静かに微笑んでまたぎゅっと抱きしめてくれる


私も清春くんに力いっぱい抱きつく



大好きだよ、愛してるよ


生まれてきてくれて本当にありがとう


私を好きになってくれて、愛してくれてありがとう


これからもまたよろしくね



そんな思いが全て伝わるようにと願いながら―――












ありったけのを込めて

彼が手に入れたのは愛する人との永遠の愛







****************

清春ハピバ!!

心の底から大好きです

2011.5.9


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