お題夢
□お題6
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お題夢6―「好き」より「愛してる」の方がいい。
どんな女でも手に入るし、酒も金も…なんとかしようと思えば、どうとでもなる。
そう…生きるには充分。
…俺はきっと、そういう星の下に生まれた。
義賊という海賊になったのは…俺にとって大きな出来事があったからだ。
それを皆悲劇だというだろう。
俺は正直に実の姉を愛していた。
そして…その姉が目の前で犯され、殺されるのを…何も出来ずに見ているだけだった。
片目を切り捨てられ、鮮血の海に沈められて。
俺の人生はそこで一度死んだんだと思っている。
だから今はなんでも手にすることができる。
名声だって、俺の知らないところで日々大きくなっていく。
そう…君が俺を知っていたように。
――女は誰だって『好意』を見せれば、すぐに寄ってきた。
俺の名。
俺の金。
俺が築き上げてきた全て。
それに魅了されて、誰一人とて俺自身に興味があったか?
身体だけの関係でも彼女たちは納得し、俺が去っても…たいした変化はないだろう。
甘い声で耳元で囁いて。
その自慢らしい肌に指を滑らせて。
甘ったるい香水の匂いがきつい首筋を舌で這えば。
…もう満足だろう?