おおきく振りかぶって

□ポーカーフェイス
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最近、思う。







「水谷〜、部活、行くよ」
「あっ、はーい。じゃあね、ちょっと待ってて栄口〜」
「待っててやるから早くしなね」

放課後、水谷が部活に遅刻しないように7組に迎えに行くと、わりと可愛い女子と笑顔で話していた。
俺が声をかけると、水谷は一瞬俺を見て、女子に片手を上げるとニコニコとやってきた。

「お待たせっ」
「ん、行こっか」

部室までの道すがら、水谷は絶え間なく口を動かしていた。
本当に楽しそうに、もちろん俺も面白くて笑ってたけど、水谷はそれ以上の何かを放っていた。
例えるなら、人生の絶頂期、みたいな。
そういえば、最近よくあの女子と話してるのをよく見掛ける。

だから最近、思うんだ。

「なぁ、水谷って、あの子と付き合ってるの?」

ほぼ無意識のうちに口から出た言葉に、水谷はちょっと目を見開いた。
かと思うと、急に情けなく顔を綻ばせて、



「あっ、分かる?」



本当に幸せそうに、笑った。








ピシリ、音がした。











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