おおきく振りかぶって

□お兄ちゃんはブラコン
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そう言えば、シュンがとあるアーティストのCDを聴きたいとか騒いでたな。
そう思って、得に用事もなかったし、俺はCDショップに足を運んだ。





*





「シュン、ほらこないだ言ってたCD」
「えっ!うっそマジ、どうやって!?」

帰宅し、ソファの上でくつろいでいた弟に投げるように渡すと、シュンは慌ててそれをキャッチした。
そして袋を開け、取り出したCDに、みるみるうちに表情を明るくする。
予想通りの反応に、買って良かったと内心で微笑む。
それを手に入れるために結構歩き回ったなんて、死んでも言えねぇケド。

「うわぁ!すっげぇ、どこに売ってたんだよ、これ?」
「そんなに人気なのか?」

人気がなければ、俺がこんなに歩き回ることなんてない。
白々しく言うと、弟が「そうだよ!」と責めるように言ってきた。

「って…うわ!兄ちゃんこんなとこまで行ったの!?」
「あ」

しまった、と内心で呟く。
そういえば、袋にはその店の名前、書かれてるんだっけ。
CDだけ、渡しゃ良かった。
しかし全ては遅く、弟に自分がどれだけ探したのかがバレてしまった。
うわかっこわりぃな、と自己嫌悪していると、じぃ、という弟の視線を感じた。
居心地の悪さを感じて、ちょっと睨むように弟へ視線をやる。

「!」

視線の先の弟の表情に、情けなくも目を見開いてしまった。

「兄ちゃんありがとう!大好き!」

それはまるで、ふわりと花が咲いたような。
そこに太陽があるかのような、まぶしい笑顔で。

「お、おう」

思わず熱くなってしまった頬を隠すように背中を向ける。
「あとで一緒に聴こう、兄ちゃん!」
「…おう」

後ろですげーすげー連呼する弟から逃げるように、俺は2階の自室へと向かった。










end










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タカヤ中学生設定。
シュンちゃんもブラコン笑。
阿部兄弟好き!CPではなくて笑笑。

神とのメールで生まれた、押しつけ文をちょこっと変えてアップしました^^

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