銀魂連載 N

□08
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「・・・・・・」


何でこうなったんだろ



俺は死ぬつもりで踏み切りにいて、もうすぐ死ねるって、思った

なのに
誰かから腕を引っ張られて、気絶して・・・・・


知らない部屋にいる


寝ているベッドはいつも寝ている物とは違ってふかふかで、モノクロを基調にした家具も高価そうな物ばかりで


自分の家とは大違い






ガチャ

「 ! 」


ドアが開かれ身構えるが聞こえた声は聞き覚えのあるものだった


「よぉ、気分はどうだ」

「ぇ、ぁ大丈、夫」


何で高杉せんせーがいるの?じゃあここはせんせーの家?



・・・・せんせーが俺を・・・



「晩飯まだだろ 食えるか?」

「・・・ねぇ」

「一応作ったが・・・・粥とかの方がいいか?」

「ねぇってば」

「それとも何か食いたいモンが・・・・・」

「せんせー!!」


聞く耳を持たなかった高杉だったがようやく聞く気になったのかベッドに腰を下ろした


「なんだよ」

「なんで・・・ここに連れて来たの?」

「・・・・・・」

「なんであの時助けたりした?なんでほっとかなかったの」


どうせこのまま・・・・


「っ生きてたって・・・俺には地獄しかないのに・・・・っ だから っ!」


死なせてくれればよかったのに!



涙を流し始めた雅に堪えきれなくなった高杉はその腕を引き自分の中に閉じ込めた


「・・・・離して」

「・・・・・・」

「離せよ!!」


胸を叩いたり離れようと暴れる雅に一層力を込めて抱きしめる
諦めたのか落ち着いたのを確認して腕を緩めた
雅も離れようとはしなかった


二人の間に沈黙が訪れる


先に口を開いたのは雅だった


「・・・・・どうせ先生だって離れて行く 俺がやってること知ったら絶対引くに決まってる ・・・・すぐ《いらなく》なる」

「それ、誰のこと言ってやがる」

「 ? 」

「俺を今までの奴らと一緒にすんな もっと頼れや」


目をまっすぐ見ながら言った高杉に何故か信用してもいいと、そう思えた



「・・・・・・俺、」



ぽつりぽつりと話し始めた雅に目を閉じた
消えてしまいそうな声を聞き逃さないように



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