銀魂連載 N

□04
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「なんでいるんだよ」


さっきまでの嬉しい気持ちが嘘だったかのように今は冷めきっている


できれば顔も見たくないってのに



「そんな事言うなよ お兄ちゃんに向かって」


悲しくなるじゃないか、と笑ってくる目の前の男にイライラする

さっさと出て行けばいいのに


「何か用があるわけ?」


用件なんて大体予想はつく


「用なんて・・・・用がないと大事な弟に会いに来ちゃいけないのか?」


座っていたベッドから立ち上がって近寄って来る

寄るな寄るな寄るな


「まぁ強いて言えば金を貸して欲しいってことくらいかな」


本当はその為に来たくせに

俺なんかどうでもいいくせに


考えに耽っていると持っていたかばんが奪われた

奪い返す前に財布を抜き取られる


「お 結構入ってんじゃん ・・・・・そういえば気になってたけど、お前こんな金どうやって手に入れてんの?」

「・・・・・っ」


言葉に詰まっていると秋人は何かをおもいついたような顔をした


「まさか・・・・お前、」


多分言うことは当たってるから思わず目を逸らした


すると何を思ったのかいきなり抱きしめてきた


「ごめん、ごめんな 弟にこんな事させるなんて最低な兄貴だな」


本当はそんな事少しも思ってないくせに・・・・・嘘ばっかり


「・・・・でももうそんな事しなくても済むからな」

「ぇ・・・・?」


本当?本当に?

本当にこの生活が終わるの?

自由になれるの?


「あぁ とりあえずこの金は全部貰っとくな」


そう言って俺の返事も聞かずに財布から札を全部抜き取るとベッドに放り投げた

そしてそそくさと出て行った




でも俺は金のことより先程の秋人の言葉ばかり考えていた

もうこんな事しなくてすむ?




本当に?



嬉しくて嬉しくて

その事ばかり考えながら夜は更けていった





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