銀魂連載 M

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ピピピピピピピ……―――




ポチッ





「ふぁーあ……」




万事屋の1日は


目覚まし時計の電子音から始まる



と言っても
この音で起きるのは
一人の綺麗な青年―――玲だけ



隣の布団で寝ているはずの
天然パーマの男―――坂田 銀時は
なぜか玲の布団に入って来ていて
玲に抱き着きながら今もいびきを立てながら寝ている


それに玲はいつもの事だと苦笑してから
銀時に布団を掛け直してその部屋を出る




寝間着である仁平から
私服である膝上くらいの着物と黒いパンツを身に纏う


顔を洗ってから
ゴミ捨てのため外へ出る




階段を降りると大家である
お登勢が煙草を吸っていた



「おや、おはよう玲」


「おはよう、お登勢さん」



ゴミを捨て
お登勢と話しをする玲



「アイツらまだ寝てんのかぃ?」


「うん、ぐっすりだったよ」


「毎日毎日玲ばっかこき使いやがって…あの天パ」



お登勢の言葉に玲は首を左右に振る



「俺が好きでやってるんだよ」



「ホントお人よしだねぇアンタは」



「あはははι」





ふと違う方を見ると
見慣れた人物がこちらへ近づいているのが見えた



「新八!」



名前を呼ぶと向こうも気が着いたみたいで
走ってこちらへ来る




「玲さん!お登勢さんもおはようごさいます」


『おはよう』




そしてお登勢と別れ
玲は新八と万事屋へ入った






「まだ寝てるんですねιまったくあの2人は……」



家に入って中が静かなため
呆れる新八

そして起こしに行こうとする新八を玲は止めた



「玲さん?」


「まだ朝ごはんできてないしさ…もう少ししたら起こそう?」



玲の言葉に新八は少し不満そうな顔をしながらも了承した


だが邪魔な2人がいないため
玲と2人で過ごせることに内心喜んでいる新八だった



「あっ、朝ごはん作るの手伝います!」


「ありがとー」



笑顔で返事をする玲に
"がんばるぞ"と気合いを入れる新八であった









―――――



「じゃあ、ごはんもできたし銀時と神楽起こしてくる」


「わかりました。僕はお茶とかの準備してます」


「はーい」





玲はまず神楽を起こす為
押し入れへ向かった



サ――――っ

「神楽ぁー、起きな。ごはん食べるよー」


「んー……」



押し入れを開けて声を掛けるが返事はするものの
起きる気配がない



「んー、どうするかな……ι」



悩む玲だが
"1つ方法があるじゃないか"
と思い出した

この方法は銀時でも新八でも効果はなく
なぜか玲だけに有効だった



「神楽、今起きるならおんぶしてあっちまで連れて行ってあげる」


「…おんぶー」


玲が言うと神楽はすぐに起きて端に座る


おんぶで簡単に起きるなんてまだまだ子供なんだな
と思いつつ身を屈める玲

それに勢いよく飛び付く



「おわっι
じゃあ立つから捕まっとけよ」


「んー…」



どうやらまだ完全に覚醒したわけじゃないようだ

玲は苦笑しながらリビングへ行った





「神楽ちゃんおはよう
……ってまた玲さんにおんぶされてるしι」



現れた玲と神楽を見て呆れる新八



「神楽、着いたから降ろすよ?」


「んー」



神楽を降ろすが
まだ目を摩っていて眠そうだ



「今から銀時起こすから、それまでに顔洗って来な」



"そのあとごはん食べよう"
と言うと神楽は少し目を開ける



「わかったアル」



そう言って
とぼとぼ洗面所へ向かう神楽を見届けて寝室へ向かった




起こすのに最も手間の掛かる銀時の元へと








ユサユサ


「銀時ー、朝だよ起きてー」


「………」



揺すりながら声を掛けるが
動かないどころか返事すらない



ポンポンポンポン


「銀時ってばー」


「ん"ー……」



軽く叩いているとようやく返事が返ってきた





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