銀魂連載 M
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呆然としている銀時と新八を放置して、玲と神楽は盛り上がる。
「玲もなんか拾ったアルか?」
「バイト先の近くにいてさ、着いて来るから連れて来たんだ」
おいで、と玲が声を掛けると玲の膝の上に黒い毛をした猫が上って来た。
「猫アルか?ごっさかわいいネ!!」
「だろ?」
玲が猫の頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細め、喉を鳴らす。
「わぁーかわいいアル!!私にも触らせてヨ!!」
そう言い、猫へ手を伸ばすが、パシッと尻尾で弾かれてしまった。
まるで"自分に触るな"とでも言うように。
「何アルかこの猫ォ!!」
神楽の怒鳴り声に、呆然としていた銀時と新八が正気に戻った。
「おまっ、ちょっ、玲ィィィィ!!」
「ん?」
「何でお前まで拾って来てんの!?しかも銀さんの特等席を……」
「だって可哀相だったし…」
「とにかく銀さんは認めません!!特にその猫!!玲の膝から下りろぉお!!」
銀時が猫を下ろす為捕まえようと手を伸ばすが、神楽がされたように尻尾で弾かれた。
そして、
"この人以外の奴が触るんじゃねぇよ"
と目で訴えてきた。
この人というのは玲の事だろう。
「ンだとコノヤロー!!玲の膝は俺のモンだぁぁあ!!」
『(何言ってンだこいつ……)』
猫に対して本気になって言う銀時に、玲たち三人は呆れた。
すると、
「クロー!どこにいるのー?」
と、外から女の子の声が聞こえてきた。
その声に猫はピクッと反応し、玲の膝から下り、開けていた窓から飛び降りた。
『 ? 』
四人は窓の方へ行き、下を見ると、
「クロー!よかった、無事で。すごく心配したんだよ?」
泣きながら猫を抱いている女の子がいた。
そして抱えたまま帰って行った。
「飼い猫だったんですね」
「そうみたいだね。勝手に連れて来て……悪いことしちゃったな」
「アイツが着いて来たんだから、玲が気にするこたァねーだろ」
「そだな。まぁ、一匹になったしな!」
「 ! 定春ここにいていいアルか!?」
目を輝かせて、神楽が嬉しそうに言う。
「ちゃんとお前が面倒見ろよ?銀さん知らねぇからな」
頭をガシガシ掻きながら銀時が神楽に言うが、本人は全然聞いていない。
「キャッホーイ!!玲大好きヨー!!」
「ワン!」
「よかったね、神楽ちゃん」
神楽と定春が玲に抱き着き、新八は微笑みながらそれを見る。
「銀さんは無視?」
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