銀魂連載 N

□04
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早朝

「けほっ・・・・けほっ」


秋人が来た日から何日かが過ぎた
あれから秋人は来ていない
本当に終わったのだろうか・・・・


ここ何日か調子が悪く家から出ていない

もうじき冷蔵庫の中身が底をつく
買い物に行きたいが全部持って行かれたため金がない

援交をしようにも生憎そんな元気はない




ガチャガチャガチャ

「 っ!」


秋人が来た

慌てて起き上がる


「雅いたのか」


俺を見て嬉しそうに寄ってきて隣に腰掛けた


「お前にちょっと報告があるんだ」


嫌な予感しかしない


「実は俺 新しい車買ったんだ」

「は・・・・?」

そんな金どこにあったんだよ


「しかもさっきしくじっちゃってさぁ 全然当たらなかった」


またギャンブルかよ
いい加減学べばいいのに


「だからさぁ、」


肩に腕を回してくる・・・・鬱陶しい
どうせ言われることはわかってる

でも受け入れたくない



「また頼むわ」



先日の希望が崩れ去った


「・・・・・返事は?」


腕が首に回ってくる


「・・・・・わかっ、た」


もうずっと逃げられないんだと悟った

終わると期待したのが間違いだったのだ


「うん 素直でよろしい」


いい子いい子と頭を撫でてくる

せんせーにされた時はすごく嬉しかったのに・・・・
同じ行為でも全然違うとぼんやりする頭で思った


「ところでさぁ、俺今手持ちが無いんだよねぇ」


遠まわしに金を寄越せと言ってるんだろう

でも


「俺も今持ってない」


ずっと寝込んでいたのだから



「―はぁ?」


秋人の表情が一変した

まずい、そう思った時にはもう遅かった




「っざけんな!!」

バキッ

「―ぅ゙っ」


拳をモロに食らって倒れ込む

その上に跨って拳を振り下ろしたり蹴り飛ばされる


バキッ
ドカッ

「何で金が無ぇんだよ!えぇ!?さっさと援交でも何でもして来いや!!」

「・・・・・っ」



商売道具に傷を付けたらいけないと思ったのか暴力が止んだ


「・・・・・雅、」


頬に手を当て顔を無理矢理合わせられる


「あんまりお兄ちゃんを怒らせないでくれよ」

―雅だって痛いだろ?


自分がやっといてよくそんな事が言えるなと思う


「雅がお金を貯めればお兄ちゃんは嬉しいし雅は痛い思いをせずにすむんだ」


良いことだらけじゃないか、と清々しいくらいの笑みを浮かべるコイツは頭がイかれてるんじゃないのか


「だからがんばって金を貯めてくれよ」


頭をぽんぽんと撫でられる



が、いきなり髪を鷲掴みにされた

「返事しろよ!!」


「ぅ゙・・・・・ゎ・・・った」


金が無いなら用はない、と秋人は家から出て行った






倒れたままぼーっとしているとある人物が浮かんだ



「・・・たか・・すぎ・・・・せん・・・せ・・・・・っ」



会いたい

会いたいよ・・・・・っ







(―っ・・・・?)
(誰かに呼ばれた気がした)
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