本棚2
□最初で最後の
1ページ/2ページ
(過去)
士官学校を経ずに飛び込んだ戦場。
一応自分なりに知識を頭に叩き込み、兄達に付き合って貰って訓練も重ねていた。
そして生まれて初めて、人を、殺した。
「おかえり、ハーレム」
「ルーザー兄貴…?!」
玄関の重い扉を開けた途端、声を掛けられて飛び上がる程驚いた。
「僕はおかえり、と言ったんだよ?」
「た…、ただいま…兄貴、…ッ」
そう言いながらルーザーの脇を通りすぎようとしたら、いきなり腕を掴まれて、否応なしに引き止められる。
たったそれだけの事で両足は竦み上がり、床に縫い止められたように動けなくなった。
「疲れたろう。お茶を淹れてあげるから、リビングにおいで」
頼むから今は、構わないで欲しい。
僅かに首を横に振って拒絶の意思を表すと、身体を無理矢理ルーザーの方へと向けさせられた。
「どこか、怪我でもしたのかい?そういう報告は受けていないけど」
「大、丈夫…だから」
本当は大丈夫なんかじゃない。
命のやり取りをしていた戦場から帰ってきたという安心感からか、身体がいつしか妙に興奮を覚えて手に負えなくなっている。
だから、その手を、離して。
「ああ成る程、そういうことか」
「ひ…っ?!」
突然引き寄せられ、ルーザーの足が下半身に押し付けられた。
「まだ16歳だものね、無理もない」
「ッ…!」
布越しにぞろりと撫で上げられ、刺激と羞恥であっという間に涙が溢れる。
逃げたいのに、膝が震えて叶わない。
「別に恥ずかしいことじゃないよ、ハーレム。これは人としての本能、ただの生理現象だから」
「分かった、から…!兄貴、やめっ、」
どうすることも出来ずにただ、目の前のルーザーにすがり付いて制止を懇願した。
これ以上触れられたら、もたない。
なのに無遠慮に与えられる刺激が限界を越えさせるまで、そう長くはなかった。
「あに、き…!っ手、いやだやめて…っ、ぅア、ッ―――!!」
強く握り込まれた瞬間、呆気なく達してしまい、頭の中が真っ白になる。
膝から崩れ落ちそうになったところをルーザーに抱え上げられたが、何が起きたか理解出来ず、呆けたまま身体を預けることしか出来なかった。
「可愛いハーレム。ねえ、もっと気持ち良く、なりたい?」
耳元でそう囁かれて。
熱を持て余した身体では、頷くことしか出来なかった――…。
--------------------
「ひぅっ!も、やだ…ぁ…っ!」
自室に連れていかれてから、どれくらい経っただろう。
服を全て脱がされ、組み敷かれたベッドの上で何度も絶頂を極めたにも関わらず、ルーザーは手淫の手を止めてくれそうにない。
「さっきから、嫌だ、しか言わないねハーレムは。身体は素直なのに」
「あ…?!兄貴、どこ触っ…!」
有り得ないところにルーザーの指が触れ、投げ出していた足を閉じようとしたが力が入る筈もなく。
そんな様子が可笑しかったのか、ルーザーが初めて小さな笑い声を漏らした。
「ああ、初めてなんだね?良かった、初陣で他の男に手を出されなくて。尤も…」
「い…っ、痛…あ!!っ…ゃ、いた…ぃ!!」
「そんな男が居たとしたら、殺すよ。大事な弟に手を出されちゃかなわない」
指を、挿れられたと認識するまで数瞬を要した。
後腔を抉じ開けられる痛みに四肢が強張り、見開いた目からぼろぼろと涙が溢れ落ちる。
「そんなに痛い?困ったな、潤滑油を用意しておくんだった」
「ぁう…っ!!」
「ごめんね、痛いのは嫌だよね」
いきなり指を引き抜かれ、ここにきて漸く、ルーザーが自分を抱こうとしていることに気付いた。
でも、もう遅すぎる。
この次兄には、幾つになっても逆らうことなど出来やしないのだ。
「そうだハーレム、四つん這いになって御覧。初めてだし、その方が楽だと思うから」
「む、り…。力…入らな…ぃ…」
「しょうがないなあ」
抱え上げられて、身体を裏返しにされる。
手と膝をつかされたが、震えて今にも崩れ落ちそうになるのをどうにか堪えると、肩越しにルーザーを振り返った。
「いい子だね。可愛いよ、ハーレム」
「う、あ…?!」
尻朶を両手で割り開かれたかと思うと、ルーザーの顔が後腔に近付き、その入り口が舌で舐め上げられた。
たっぷりと唾液を絡ませた舌が入り口をねぶっていたかと思うと、細められた舌先が浅く侵入してきて掻き回される。
「これだけ濡らせば痛くないかな?」
「ンあ…っ、ア…!」
再び指を挿し入れられ、今度は自分でも驚くほど甘い声が漏れた。
_