GIFT

□穴があったら入りたいのは
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この一見平和そのもののパプワ島にだって、色んな意味で危険はいっぱいある。
でも、やっぱり一番危ないのはこの人だろう。
「たいっ、ちょ……っ、ぁ、あアッ」
「まぁたイったのか、堪え性無ェ、なっ」
「ひぁうっ!」
ハーレム隊長。
島に乗り込んできた(そして帰れなくなった)獅子舞こと元上司に、俺は真昼間からジャングルのド真ん中でアンアン言わされてるわけで。――どうしてこうなった。
「あ、つぃ、ィッ」
「そりゃあ、こんだけ、ヤってりゃあちいだろう、よっ」
「あ、あ、まってまだ、おれっ、ィ、んあっ」
「おまえ、好きだろォが、イってる時にこーやって、奥、突かれんのっ」
「や、ぁんンッ」
まあ、深く考えようにもその前に揺さぶられて、溶かされて。口から出てくるのは情けないくらいに喘ぎ声ばかりだ。
でも結局こんなところで盛られて本気で抵抗しなかったのは、俺だって満更でも無いってことなんだろう。意外なほど柔らかい下草の上、仰向けで足をこれでもかと開いて隊長を受け入れているのだ。どう見たって場所をわきまえないバカップルなんだから。

うん?

どう、見たって――?

「ちょっと待ってやっぱダメぇぇええ!」
「うおっ?!」
ナマモノ達はこの際置いておく(いや、それもどうかとは思うけれど)。
問題はちみっ子達だ。流石にお見せできないというか、教育上よろしくないというか、良心が咎めるというか。とにかく遊びに出掛けている彼らと鉢合わせしてしまう事だけは絶対にごめんだ。色々と。
「――だから、これ以上はだ、め……って、ちょ、ま、――ッ」
肩で息をしながらも説明をし終えた俺が、更に念押ししようとしてるそばから浮く身体。要するに抱え上げられての対面座位だ。萎える気配の無い隊長のデカブツがぐうっと腹の奥の奥まで入ってきて、内臓がせり上がる感覚に息が詰まる。
「ぁぐっ」
「安心しろ」
「は、あっ?!」
「アイツ等、見張りに立ててっからよ」
「ンな……ッ」
鳴子まで仕掛けてる、そうニヤニヤと笑いながらついでのように言うのを聞いてやっと分かった。つまりこれは、ジャングルの中でバッタリ出会ったのは、偶然じゃあなかったということで。
「アンタ、最初っから、」
「ったりめーだろ、今頃気付いたかトリ頭。じゃなきゃ流石の俺様でもこーんな真昼間のジャングルのド真ん中でおっぱじめるワケねーだろ。英国紳士だぞ、俺」
「紳士がそもそもこんなレイプ紛いのコトするかァァアア!!」
「うるっせェ、足おっぴろげて悦んでたクセに。オラ、続きヤんぞ」
「ひぅっ!? ンッ、あっ、や、あアッ、それダメぇえっ」
挿れっぱなしなのに器用に裏返されながら、うつ伏せに押し倒されて後ろからのしかかられる。腰を高く持ち上げられたと思ったら、それこそ動物の交尾みたいな格好と勢いで、体の奥を責められて。
柔らかい下草のお蔭で膝や手なんかに痛みが無いことがいっそ情けない。
「ふあっ、ぁ、あぅっん、ア、ああアッ」
「あと何発イけるか、数えようなあ?」
むしろ俺、イキっぱなしなんですケド。

結局、そうして意識が飛んでしまうまで散々に抱かれ続けた俺は、あろうことか次の日の朝に、いわゆるお姫サマ抱っこでパプワハウスに届けられる羽目になった。
その時のちみっ子たちの台詞ときたら、もう一生忘れられそうにない。

「オジサン、今度は家政夫の足腰立つ程度にしといてよね」
「僕らの教育にも良くないぞ!」
「ワウー!」

ねえ待って。
この子らどこまで察しちゃってんの。
「穴があったら入りたいっす……」
もう朝御飯は食べたからと、入れ違いに出掛けて行った子どもたちの背を見送りながら、呆然として呟く俺に、隊長は。
「オメーは穴に入れられる方だろが」

そう、のん気に笑いながら言うのだった。

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