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□LoveToken
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もし、
2人が普通(!)にデートに行ったなら
LoveToken
「オメーはホントにネズミ好きだなァ」
「ハイ!何たってヒーローですから、俺の」
補給の為に立ち寄った街。
そこに某ランドのキャラクターショップがあるとリキッドに教えたのは意外にも、G。
補給を終えたら直ぐに発つ予定だった。
だが店に行きたそうにしているリキッドを見兼ねてか、連れて行ってあげれば良いのに、と余計なことを言いに来たのがロッド。
何にせよ、補給が終わるまでは暇なのだ。
珍しくリキッドの味方につくことにしたのか、夕暮れまでには帰ってこいとマーカーに送り出されて、現在に至る。
「うっし、じゃあ会計行ってきます!」
「あ?ソイツだけか?」
リキッドの腕にすっぽり収まるヌイグルミは、ネズミとその彼女の二種類ある。
“限定”と書かれた説明文によるとこの土地限定で売り出されている代物のようだが、リキッドが抱えているのはネズミの方だけ。
「…俺の給料を馬にブッ込んでんのは、どこのどなたでしたっけ」
ああ、なるほど納得した。
両方欲しいが持ち合わせが足りない、と。
「ははっ、そりゃ悪かったな。よし寄越せ」
「えっ、ちょ、」
言うが早いかリキッドからネズミを奪い取り、ついでに棚からネズミの彼女の方も掴んでレジへと向かう。
プレゼント用なんでと会計係に告げれば、お子様にですか?と笑顔で訪ねられた事はリキッドには内緒にしておこう。
「オラ、帰るぞ」
店を出てからリキッドに包みを渡してやり、まだ呆然としているその手を引いて歩き出す。
夕暮れが近いからかもう通行人もまばらだ。
「…たいちょー」
「んー?」
「だいすき」
返事代わりに、キスしてやった。
「…帰るぞ」
「…ん」
(たまには、こんな甘さも悪くはない)